将棋の豊島将之九段(32)が7月25日、王座戦挑戦者決定戦で大橋貴洸六段(29)に勝利し、永瀬拓矢王座(29)への挑戦権を獲得した。対局後に行われた記者会見では、五番勝負を見据えて「厳しい戦いになると思うが、その中でチャンスを見出していきたい」と自身初の王座奪取への意気込みを語った。会見の内容は以下の通り。
――平行して2つのタイトル戦を戦う上での戦略は?
体調を整えることと、序盤研究できる時間は限られていると思うがその中でやっていけたらと思います。
――永瀬王座とのタイトル戦は、4勝3敗2持将棋1千日手の激闘となった第5期叡王戦七番勝負以来。展望は?
自将棋や千日手を目指すことはないですが、避けることもないです。自将棋はなかなかならないので、ならない気もします。
――今期の王座戦本戦トーナメントを振り返って印象に残っている将棋は?
初戦(近藤誠也七段戦)や2回戦(丸山忠久九段戦)は悪い局面があったので、勝ち上がっていけたのは幸運だったと思います。
――王座戦は8期ぶり2度目で、前回は羽生善治王座との対戦で2勝3敗で敗戦。どんなシリーズでしたか?
羽生さんが複数タイトル持たれていて、自分なりに精いっぱい指したけどちょっと及ばなかった。内容的にも苦しい将棋が多くてフルセットまでは行きましたが、最後はあまりチャンスのない将棋でした。
――無冠返上にかける思いを教えてください。
無冠になったあともタイトル挑戦、奪取、棋戦優勝を目指してやっています。悪い内容で無冠になって、その後も負けが続いたので、挑戦には時間がかかるかと思っていたが、意外と良いペースで挑戦者になれているのかなと思います。引き続き頑張りたいと思います。
――王位戦七番勝負第3局から中3日。今日までどのように過ごされましたか?
王位戦で負けが2局続いていましたが、相手も変わるので新たな気持ちで臨みました。3日間くらい時間があったので、研究して疲れをとってという感じで今日の対局に臨みました。
――タイトルに挑戦することへの思いを教えてください。
挑戦という結果にはなったが、自分が今やってることがそんなに上手くいってるかどうかは、それだけでは判断できないところがある。挑戦者決定戦まで行けて、挑戦のチャンスを掴めたのは良かったです。
――復調のきっかけがあれば教えてください。
自分でも良くわからない。時間がかかると思って長期的な計画でやっていたので、半年で挑戦できると思っていなかった。
――永瀬王座の印象を教えてください。
昔は受けやねばり強さが主体のタイプの棋士だったが、最近はシャープな将棋で鋭い攻めが持ち味で受ける展開も苦にしない印象です。
――五番勝負をどのように戦いたいですか?
自分の持ち味を出せるような展開にすることと、すごく充実されている方なので、厳しい戦いになると思うが、その中でチャンスを見出していきたい。
――応援しているファンへメッセージをお願いします。
王座戦五番勝負は、王位戦七番勝負と並行する形になりますが、自分なりに精いっぱい戦っていきたいと思いますのでそちらもご観戦いただければと思います。
(ABEMA/将棋チャンネルより)