将棋の順位戦B級1組3回戦が7月28日に行われ、久保利明九段(46)が羽生善治九段(51)に132手で勝利した。この結果、久保九段はB級1組2連勝。次戦、4回戦では丸山忠久九段(51)との対局が予定されている。
終盤まで均衡が保たれたままの大熱戦を、振り飛車党の第一人者・久保九段が制した。羽生九段の先手番で、戦型は後手四間飛車の対抗形に。互いに堅く玉を囲ってじっくりした戦いに備えた。これまでに公式戦70局を戦い、互いの手の内を知り尽くしているとばかりに、一進一退の激しい攻防戦となった。
難解な中盤戦を経て、先に仕掛けたのは羽生九段。ABEMAの中継に出演した飯塚祐紀七段(53)は、「やや強引だが、王者の風格で仕掛けた」とコメント。終盤戦では、久保九段は強固な穴熊を主張に一気に鋭い踏み込みを見せると、飯塚七段は「久保九段は“捌きのアーティスト”と言われているが、捌く前には丁寧で慎重な仕込みが必要。陣形に厚みがあってしっかりした土台があるからこそ踏み込むことができる」と解説した。最後は両者時間を使い切り、1分勝負に突入。最終盤まで息もつかせぬ大熱戦を演じ、久保九段が羽生九段の猛攻をしのぎ切って勝利を飾った。
この結果で久保九段は順位戦2連勝。8月18日に行われる4回戦では丸山九段と対戦する。一方、敗れた羽生九段は2勝1敗。公式戦の連勝数は8でストップとなった。順位戦4回戦は抜け番となり、9月8日に行われる5回戦で三浦弘行九段(48)と対局が予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)