将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント1回戦第1試合、チーム豊島とエントリーチームの対戦が7月30日に生放送された。チーム豊島が4勝2敗と王手をかけて迎えた第7局は、エントリーチーム・黒田尭之五段（25）がチーム豊島・深浦康市九段（50）に勝利。依然としてカド番ながらスコアを3-4と差を縮め、2回戦進出に望みをつなぐ大きな1勝を挙げた。
【中継】本戦初出場同士 チーム豊島 対 エントリーチームの激戦
第2局と同カードを先後入れての対戦となった第7局。負ければチームの敗退が決まる黒田五段と、なんとしてでも勝利してチームの2回戦進出を決めたい深浦九段。重要な一戦を任された両者は、ともに穴熊に囲って激戦に備えた。本局では先手の深浦九段が居飛車、後手の黒田五段が三間飛車の出だしから、互いに慎重に指し進めじっくりとした戦いへと進行した。
第2局は、黒田五段は緊張から自分の持ち味が出せずに敗戦。丸山忠久九段（51）と戦った第5局では緊張もほぐれて本戦初勝利を飾った。第7局、カド番を担った黒田五段だが、「このくらいの方が燃える。深浦九段が強敵なのは前局で実感している。自分の良いところを出し切れたらいい勝負ができるのでは」とリベンジを期していた。中盤で優位に立つと、黒田五段が持ち味の積極的な指し回しでリードを拡大。深浦玉を一気に寄せ切って、チームに大きな一勝をもたらした。
依然としてカド番に変わりはないが、再び流れを引き寄せたことは間違いない。個人成績は2勝1敗と勝ち越しにも成功。「自分の力を出し切れたと思う。あとは2人に頑張ってもらいたい。下克上のドラマを見せたい」と信頼を寄せる仲間にエールを送っていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
