藤井聡太竜王への挑戦者は広瀬章人八段に決定 山崎隆之八段との大熱戦を制し2連勝で挑戦権獲得/将棋・竜王戦挑決第2局
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 将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)への挑戦者決定三番勝負第2局が8月23日に行われ、広瀬章人八段(35)が山崎隆之八段(41)に141手で勝利した。この結果、2連勝で挑戦権を獲得。2018年度(第31期)以来の竜王復位を目指し、再び七番勝負の大舞台へ上がる。注目の竜王戦七番勝負は、10月7日に東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で開幕する。

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 後手四間飛車の出だしから、長く難解な中盤戦へ。ペースは序盤から先手の広瀬八段が握っていた。先手は穴熊に組んだ自の堅さを生かしながら、後手を猛攻。山崎八段は、体育座りで両膝を抱えて苦しい表情を見せていたものの、辛抱の中で自玉の守り駒をさばいて逆転し優位に立った。玉飛が接近する悪形をまとめ上げた山崎八段に、ABEMAの中継に出演した井出隼平五段(31)も「魔法のような頑張り」と驚きの表情を見せていた。

 終盤戦では、広瀬八段が桂馬の進行から再び押し返して形勢は互角に。解説の屋敷伸之九段(50)を「12時間近く戦っていて互角は超激戦。実力、技術も大事ですが、気力が強い方が勝つ」と唸らせた。先手は広い視野で、銀打ちから再度リードを拡大。最後まで冷静な指し手で山崎八段を押し切った。

 終局後、広瀬八段は「位を取られる代わりに穴熊に組んで序盤はまずまずだと思っていたが、中盤の方針というか、見慣れない形で駒組の仕方がわからなかった。そこから苦しくしてしまったような気がする。途中ははっきり良かったと思うんですけど、飛車を取って勝ちやすい展開になったかなと思った」と振り返った。

 一方、敗れた山崎八段は「中終盤ははっきり良いと思っていて、踏み込むか、手堅く行くかで中途半端な手が多かった。チャレンジャー精神というか、ギリギリだったらいいくらいの気持ちでやらないといけなかった。良いと思ってしまってからの指し手がちぐはぐで読みが入っていない手ばかり指してしまい、自分の弱い部分が出てしまったと思う。そこはもったいない。せっかくの大舞台だったが、実力なので仕方ないが残念な気持ち」と悔しそうな表情を見せた。

 挑戦者決定三番勝負は、広瀬八段が2連勝で挑戦権を獲得。2019年度の竜王失冠以来、3期ぶりに七番勝負の大舞台への復帰が決まった。対するは五冠王・藤井竜王。2018年度以来の竜王復位へ、絶対王者に全身全霊をかけて挑む。広瀬八段は「終わったばかりで実感は無いですが、相手は強い。こちらも頑張らないとシリーズが盛り上がらない。開幕までにより一層コンディションなどを上げていけるようにしたい」と意気込みを語った。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第35期 竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第二局 山崎隆之八段 対 広瀬章人八段
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