将棋の藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、20)に豊島将之九段(32)が挑戦する、お〜いお茶杯王位戦七番勝負の第4局は8月24日、徳島市の「渭水苑」で対局を行っている。ABEMAの中継には、現地から立会人の木村一基九段(49)が出演。自身が対局者として戦った2009年(第50期)王位戦七番勝負第5局での舞台裏で起きていたという「エアコン論争」の秘話を明かした。
2009年の王位戦七番勝負は、木村八段が深浦康市王位(肩書はいずれも当時)に挑戦するシリーズだった。挑戦者が3連勝スタートののち、王位が1勝を返したところで、舞台は本局と同じ徳島市「渭水苑」に。あと1勝で初タイトル獲得となる木村八段にとっては勝負どころとあり、記念撮影で対局者同士に握手を求められた際にも「お断りさせて頂いた」という。
対局場ではさらにピリピリモードに。8月下旬の開催とはいえ、まだまだ暑さは厳しく空調管理は必須。「深浦さんは冷房が苦手なんですよね。私は暑がりで。深浦さんは『冷房を弱めにしてくれ』って言って、私は『冷房ガンガンで!』って言って、担当者は困っちゃってね。結局、屏風を立てて風向きを変えて対処していただいたんですよね」とエアコンを巡る盤外での戦いが起こっていたことを明かした。徳島対局は深浦王位が勝利。木村九段はシリーズを3勝4敗で奪取には至らなかった。
本局では、木村九段が対局の立会を担当。検分の際には藤井王位、豊島九段に丁寧に空調を気にかけていた様子も見られ、「対局者に『寒い!』と言われたら『我慢しろ!』とは言えませんからね。今も見えないところに屏風を立てて、片方に風が偏らないようになっています。なるべく快適な状況で対局してもらいたいと務めています」と笑い交じりに舞台裏のエピソードを話した。
13年前の空調論争に、ファンは「盤外ナントカ、ですねw」「こどもかw」「立会人板挟みになるやつw」「これはバトル不可避」「面白すぎる」「バチバチやねw」「頭のはたらく温度ってあるよね」「一日中いるから空調大事ですよね」と多くのコメントが寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)