藤井聡太王位、タイトル獲得数10期の大台到達も「数自体は意識していない」視線は次なる戦いへ/将棋・王位戦七番勝負
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 将棋藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、19)が9月6日、静岡県牧之原市の「平田寺」で行われたお〜いお茶杯王位戦七番勝負第5局で挑戦者の豊島将之九段(32)に勝利し、タイトル防衛と3連覇を達成した。この結果で、タイトル通算獲得数は10期の大台に到達。対局後に行われた記者会見では、「数自体は意識していることではない。どの対局にも良い状態で臨めるように意識してやっていけたら」と決意を新たにしていた。会見の内容は以下の通り。

【動画】藤井聡太王位が3連覇とタイトル獲得数10期を達成した一局

――3連覇達成の感想をお願いします。

 まだ対局が終わったばかりで、結果よりも対局のことを振り返っている感じです。今期の王位戦はどれも本当に難しい将棋ばかりだった。その中で結果を出すことが出来たのは良かったのかなと思っています。

――牧之原市でのタイトル戦開催は初。感想をお願いします。

 地元のお店でメニューを用意していただくなど、歓迎して頂いて嬉しく思いますし、気持ちよく対局をすることができました。

――豊島九段との番勝負振り返って、どのような展開だったと考えていますか?

 今シリーズはすべて角換わりの将棋でしたが、第1局、第2局は定跡系の進行で、早い段階で終盤になる将棋になったが、第1局はうまくバランスを取ることができなかった。第3局以降は中盤のねじり合いのような展開になって、考えていてもよくわからない局面がが多かったです。そのあたりの判断の制度を上げていかないといけないのかなと思っています。

――一番印象に残った対局は?

 まずは第1局。途中かなり攻め込まれる展開で、その後いったん受け止めたが、その局面が非常に判断の難しい将棋だったのかなと思っています。本局も早い段階から見慣れない形になって、常に指し手の方針だったり、形勢判断が難しい将棋でした。

――史上最年少、最短でのタイトル獲得数10期到達。達成の感想をお願いします。

 あまりタイトル獲得数自体は意識していることではないです。来月から竜王戦などの対局もあるので、どの対局にも良い状態で臨めるように意識してやっていけたらと思っています。

――全局角換わりのシリーズになった理由を、どのように考えていますか?

 これまでも、自分のタイトル戦だと角換わりと相掛かりの将棋が多かった。今回は豊島九段とテーマとする局面がある程度重なっていたところがあったのかなと感じています。

――もし第6局があった場合、角換わりを選択していましたか?

 次の一局というのを意識していないので、その後のことというのは特に想定していませんでした。

――シリーズを制した理由をどう考えていますか?

 今期の第1局では、豊島九段の深い研究に着いて行くことが出来なかった。2局目以降は、対局に集中して臨むことが一番大事ですが、その上で準備もしっかり意識してやっていかなくてはいけないのかなと思って取り組んでいました。

――竜王戦七番勝負への意気込みをお願いします。

 王位戦と竜王戦は同じ持ち時間なので、今回の王位戦で感じた課題を、竜王戦までに修正して臨めればと思っています。

――持ち時間の使い方について意識されていることはありましたか?

 王位戦は持ち時間が長いので、決断良く指そうという意識はなかった。第1局では消費時間の差が大きくなってしまったので、そういった展開になると厳しいのかなと感じた。(以降は)相手との時間差は少し意識しようかなと思っていました。

――棋聖戦五番勝負、王位戦七番勝負ともに黒星発進。対局数の多い、少ないはコンディションに影響しますか?

 棋聖戦第1局のあたりは、内容的にもあまり上手くいっていない感じでしたが、それ以降対局を重ねていくうちに良い状態で臨めるようになったという印象はあります。

――対局は多い方がコンディションが良い印象でしょうか?

 今年は3~4月に対局が少ない時期があって、その間に良い状態を作れなかったというところはある。対局のペースはこちらでは選べないので、そのあたりの調整は今後の課題なのかなと思っています。

ABEMA/将棋チャンネルより)

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