学校生活を支える「PTA活動」。負担の大きさから敬遠する声が上がる一方で、保護者たちが積極的にPTA活動を行っている小学校がある。ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、保護者を惹きつける秘密に迫る。
「またPTA作業なるものが始まるのかと思って、気が重い」――保護者から負担を感じる声が聞かれる中、なんとPTA役員の定員に対し、1.7倍の立候補者がいた小学校があった。
横浜市立山内小学校では、異色の取り組みを行っている。それは、学校公式のInstagram。学校行事の風景から給食の中身まで、学校の日々の様子が投稿されている。
しかし、なぜInstagramでPTA活動の人気が高まったのだろうか。仕掛け人は佐藤正淳校長。山内小に赴任した3年前、修学旅行の様子を保護者に届けたいと思い、Instagramを開設した。以来、ほぼ1人で毎日のように学校の様子を投稿しているという。
「ある調査では、30~40代の女性(小学校でいうお母さんたち)が使ってるSNSはインスタがダントツで1位だった。お父さんは会社にいながらインスタをチェックしていて、お母さんもチェックしていて、『夫婦の会話が増えた』みたいな話があった」(横浜市立山内小学校・佐藤正淳校長)
普段から投稿を見ている保護者は、校長の投稿を次のように称賛する。
「(最初は)“保護者が参加しにくいな”と、小学校に対してマイナスのイメージを持っていたが、毎年、校長先生が(PTAの)各委員会の内容をインスタに載せてくれて、それがすごく分かりやすかった。なので、(PTA活動に)参加させてもらった。『これなら自分のやりたいことに近いかな』と思ってやってみた」
「例えば運動会の朝に(雨が降って)、『本当にこの雨の中でできるのかな?』と思っていると、校長先生がすぐに投稿してくれた。先生たちが頑張ってくれていることが分かると、何とか成功するように力添えしなきゃという思いが強くなり、保護者たちも集まってくる」
佐藤校長の投稿がもたらしたのは、保護者や地域への学校の“見える化”という効果だった。
「前期の修了式の日の写真を投稿した。廊下に担任の先生が机を出して、通知表を見せて子どもたちに一つ一つ丁寧に説明をしている。学校で普通にやっているようなものも、ちょっと発信してみたら『通知表ってあんなふうに渡していたんですね』と言われ、親後さんの感謝や感動に繋がった」
「単純に、学校の中が見える。学校の中には先生たちの頑張りと、子どもたちのキラキラした姿がある。(Instagramは)先生たちの頑張りを発信して保護者の理解につなげたり、学校の応援団として理解者を1人でも増やしたりしていくことに繋がっている」
保護者を巻き込み、学校に力を貸してくれる人を増やすことが「子どもたちの将来につながる」と佐藤校長は考えている。
「力を貸してくれる人たちの姿を子どもたちは必ず見ている。あの子たちが高校生・大学生になったときに、誰かのために何かをするという原体験・原風景になってくれると思っている。学校だけでは出会えない、経験できないようなことが保護者や地域の人の力を借りると実現する。学校で今やっていることが社会とつながっているといった学びは、保護者や地域の力を借りることによって、より大きな形となって現れる」
(『ABEMAヒルズ』より)
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