将棋の永瀬拓矢王座(30)に豊島将之九段(32)が挑戦する第70期王座戦五番勝負は10月4日、神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で第4局の対局を開始した。これまでの3局で、永瀬王座の2勝、豊島九段の1勝。本局で永瀬王座が防衛4連覇を決めるか、豊島九段がカド番をしのいでフルセットに持ち込むか。
永瀬王座は2009年10月に四段昇段。竜王戦1組(1組:5期)、順位戦A級(A級:2期)。タイトルは叡王1期、王座3期の計4期で、棋戦優勝は2回。将棋に対するストイックな姿勢から「軍曹」と呼ばれ、研究量ではプロの中でも1、2を争うと言われている。王座戦は2019年度に斎藤慎太郎王座(当時)と五番勝負を戦い、3-0で奪取。以降、久保利明九段、木村一基九段の挑戦を退けた。4連覇を目指す今期は、挑戦者に豊島九段を迎えて一進一退の攻防戦を繰り広げている。
豊島九段は2007年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:9期)、順位戦A級(A級以上:6期)。タイトルは通算6期、棋戦優勝は5回。王座戦は2014年以来2度目の挑戦で初奪取を狙っている。今夏、平行して挑戦していた王位戦七番勝負は藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、20)に退けられたが、王座奪取に向けてより一層の集中力を高めている。
第1局は、永瀬王座の先手番で角換わりの出だしから、終盤の激しい攻防戦を豊島九段が制した。第2局は異例の超スピード戦から千日手へ。指し直しの大激闘を永瀬王座が勝利した。第3局は角換わり相早繰り銀の将棋に。永瀬王座が深い研究を実らせ、防衛に王手をかけた。
両者の過去の対戦成績は、永瀬王座12勝、豊島九段10勝、持将棋2局(千日手2局)。本局で永瀬王座が決着を付けるか、豊島九段がカド番をしのいでフルセットに持ち込むか。持ち時間は各5時間で、先手は豊島九段。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)