将棋の順位戦A級5回戦が11月11日に行われ、斎藤慎太郎八段(29)が佐藤天彦九段(34)に86手で勝利した。この結果で斎藤八段は、4勝1敗で暫定首位を走る豊島将之九段(32)に次ぐ3勝グループに。3期連続名人挑戦を目指し、後半戦へと向かう。
名人3期の佐藤九段と、2期連続名人挑戦者となった斎藤八段による一戦。両者は過去に6局対戦し、斎藤八段が5勝とリードしていた。しかし、直近の今年7月の対戦では佐藤九段が初勝利を挙げており、本局での星のゆくえに注目が集まっていた。
佐藤九段の先手番で始まった本局は「矢倉」の出だしに。互いに囲いもそもそこに、攻め合いへと進行した。中盤戦からは一手一手を慎重に読み合う長考合戦に。積極的に動いた佐藤九段がペースを掴んだかと思われたが、斎藤八段が丁寧に対応し、徐々に押し返していった。
互いに深い前傾姿勢で考慮を続け、持ち時間を削り合う激しい戦いに。攻めのターンが回ってきた斎藤八段が、チャンスを逃すまいと攻勢に出てリードを拡大させた。しかし、佐藤九段も簡単には折れない。斎藤八段は受けに回って先手の粘りをかわし、最後は銀打ちから冷静に寄せ切って勝利を手にした。
この結果で、斎藤八段は今期成績を3勝2敗に。進行中の5回戦までで、4勝1敗と暫定首位の豊島九段に次ぐ3勝組に並んだ。3期連続の挑戦権を目指し、後半戦へと向かう。次戦の6回戦では、糸谷哲郎八段(34)との対戦が予定されている。
一方、敗れた佐藤九段は、1勝4敗と苦しい位置から後半戦での巻き返しを目指す。次戦は、直近の対戦で初勝利を飾った藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)と対局する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)