「師匠冥利に尽きる」杉本昌隆八段“最強の弟子”藤井聡太竜王と大会初出場 一緒に飲みたい勝利の美酒/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」が、11月19日から放送開始となる。第1回大会ではエキシビションマッチに出場した杉本昌隆八段(53)、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)は、今回が大会初出場。“最強の弟子”藤井竜王と一緒に戦う杉本八段からすれば、喜びとプレッシャーが同時にやってくるような大会だ。「将棋は個人戦。誰かと共に戦うということはなかなか経験できないので、藤井竜王と一緒に1つの勝利を目指して戦えるのは師匠冥利に尽きます」と、目尻が下がる。今年7月には20歳にもなった藤井竜王と戦い、その先に目指すのは勝利の美酒を飲み交わすことだ。

【映像】藤井聡太竜王との出場について語る杉本昌隆八段

 2016年10月の最年少デビュー以来、数々の記録を作り上げた藤井竜王だが、天才棋士を語る者として最も多くメディアに登場しているのが杉本八段だ。今や最強棋士として序列1位に君臨する藤井竜王には、少年時代ほど何かと手伝うことも少なくなったが、それでもかわいい弟子であることには変わらない。「この数年、私は『師匠』と呼ばれることが非常に多い」と笑うが、いざ一緒に戦うとなればファンが期待する藤井竜王の対局、活躍を師匠自ら妨げることだけは避けたい。「師匠である自分の勝ち負けも大きく問われるトーナメント。藤井竜王は実力を発揮すると思っていますから、自分がどのような成績を収めるかによって、トーナメントの結果も変わってくるんだろうなと思っています」と、自分がカギだと自覚する。

 もともと大会出場も“藤井竜王次第”だった。タイトルを5つ保持していることから、毎月のようにタイトルをかけた番勝負が続いている。各地を転戦するため、対局前後の移動日も含めると、見た目の対局数以上に多忙な日々を送っている。それでも本人が大会出場を決めたことで、杉本八段もそのまま出場を決めた。昨年、スケジュールの合間を縫って深浦康市九段(50)と佐々木大地七段(27)の師弟とエキシビションマッチで対戦したが、まさかの0-3でストレート負け。今回は大会に出場するだけに、同じような結果だけは避けたいところだ。

 楽しみにしていることがある。藤井竜王と酒席を共にしたいという。「お酒の席に一緒にいたいんですよね。たぶん彼はお酒が弱い(笑)。それに私たちの世界は完全なオフがないというか、休みの日でも将棋の研究はする。お酒を飲んでしまうと研究がしづらいと思うので、藤井竜王が飲むのは非常に限定的でしょう。なので、お酒は飲まなくてもノンアルコールでいいから、お酒の席で一緒に時間を過ごしたいんです」。あの手はよかった、あの一局ではうまく勝てた。そんなことを弟子と語らいながら飲む酒は、想像するだけでも格別なのだろう。

 昨年のエキシビションでは準備不足もあり、杉本八段はいいところなく敗れてしまった。今回は準備をする時間がある。「藤井竜王は我が一門のエースですから、遠慮なくバリバリ勝ち進んでほしいですし、自分はその補佐ができればと思っています。彼にはフル回転してもらって、自分の対局には全力を尽くします」と、最強の弟子がのびのび戦えるようにサポートする。2人の歯車がうまく噛み合えば、杉本八段が思い描く祝勝会がより具体的に見えてくる。

◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】藤井聡太竜王との出場について語る杉本昌隆八段
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022・師匠サミット
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022 予選Aリーグ チーム鈴木 vs チーム畠山
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