藤井聡太竜王、年度内“六冠”へ前進! 羽生善治九段とのスター対決を制し自身初の挑決二番勝負出場決める/将棋・棋王戦挑決T
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 将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が12月8日、棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメントの敗者復活戦決勝で羽生善治九段(52)に勝利し、挑戦者決定二番勝負への進出を決めた。次戦では勝者組優勝者の佐藤天彦九段(34)と対戦し、2連勝で棋王初挑戦が決定する。

【映像】藤井竜王が挑戦者決定二番勝負進出を決めた一局

 将棋界を代表するスター棋士2人の対戦。挑戦権争い進出をかけた大一番は、若き絶対王者に軍配が上がった。本局は羽生九段の先手番で「角換わり」に。両者腰掛け銀から、先手は銀矢倉に組み換えて形を整えた。羽生九段は堅さ重視、藤井竜王はバランス重視の進行をたどり、昼食休憩明けからは攻め合いへと転じた。

 両者ともに細かく持ち時間を投入し、慎重に読みを深めていく。藤井竜王が強く迫って流れを掴み、終盤戦へと突入した。羽生九段はと金と馬から藤井玉を狙うが、攻め駒不足で差を埋めることができない。必死に反撃の一手を探ったが、後手は冷静かつ着実にリードを積み上げていく。最後は藤井竜王が桂成から踏み込み、羽生九段を突き放して勝利を飾った。

 大勝負を制した藤井竜王は、「お互い似たような玉形で戦いが起こって激しい展開になったので、どうなっているか常に際どいのかなと思って指していました。(最終盤で)桂成として、こちらの玉が詰めろにならない形なので、一手行けそうなのかなと思いました」とコメントした。

 藤井竜王は今期の挑戦者決定トーナメント勝者組準決勝で佐藤九段に敗れ敗者復活戦に回ったが、同学年の伊藤匠五段との対局に快勝。さらにレジェンド羽生九段を破り、挑戦権争いの舞台へとたどり着いた。一度は“黄色信号”が灯った年度内六冠獲得への道筋だったが、自らの力で切り開き初挑戦に大きく近づいた。

 一方、敗れた羽生九段は2014年度以来8期ぶりの棋王挑戦、さらに2004年度以来18期ぶりの奪取を目指していたが、ここで敗退。終局後には、「(序盤の千日手)打開の仕方にちょっと問題があったのかもしれません。ちょっとずつ苦しくなっているように感じていました。途中までは前例のある将棋でしたが、駒がぶつかった後に何かミスをしていたような気がしますが、何が悪かったはかわからないです。久しぶりに良いところまで勝ち上がれましたが、まだまだ力が足りないな、というところでしょうか」と語った。通算タイトル獲得数100期へ、すでに挑戦権を獲得しているの王将戦七番勝負(2023年1月開幕)に全力を注ぐ。

 藤井竜王が初めてたどり着いた挑戦者決定二番勝負は、勝者組優勝者で2015年度挑戦者の佐藤九段と対戦。勝者組にはアドバンテージ1勝が与えられており、敗者復活戦から勝ち上がった藤井竜王が挑戦権を手にするには2連勝が必要となる。藤井竜王は「まずは第2局まで持ち込んで、挑戦者決定二番勝負を盛り上げられるように頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

 さらに、その先に立ちはだかるのが永世位の資格保持者でもある渡辺棋王だ。“六冠”ロードは依然険しいものに変わりはないが、ファンの期待はどこまでも高まるばかりだ。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定T敗者復活戦 藤井聡太竜王対羽生善治九段
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