将棋の順位戦A級6回戦が12月20日に行われ、永瀬拓矢王座(30)が佐藤康光九段に95手で勝利した。この結果、永瀬王座は4勝2敗と上位グループに浮上。7回戦では今期の竜王戦七番勝負挑戦者だった広瀬章人八段(35)と対戦する。一方、初白星を目指した佐藤九段だったが、手痛い6連敗を喫する結果となった。
永瀬王座が冷静な指し回しで激戦を制した。本局は、後手の佐藤九段が角交換からダイレクト向かい飛車を志向。対する永瀬王座は、早いタイミングで自陣に角を打って相手の動きを牽制した。前例を離れると、永瀬王座は飛車をぶつけて仕掛けて行く。佐藤九段はたっぷりと時間を投入し、飛車と銀を組み合わせた独創的な構想に加えて、右の金を中央へ。永瀬王座は、動じず冷静に角を上がって対応しペースを握った。
激戦となった終盤戦では、後手の攻めに対して永瀬王座の受けが光りリードを拡大。佐藤九段は簡単には倒れまいと技を繰り出すも、先手の優位を切り崩すことができない。永瀬王座は、桂取りから攻めに回ると攻防の中央地点へ馬を引き、畳みかけるように佐藤九段を押し切って勝利を手にした。
この結果、永瀬王座は4勝2敗と星を伸ばし、4勝1敗で首位を走る豊島将之九段(32)、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)に次ぐ上位グループに浮上。挑戦権争いに名乗りを上げるべく、次戦の7回戦では今期の竜王戦七番勝負挑戦者だった広瀬章人八段(35)と対戦する。
一方、敗れた佐藤九段は6戦全敗と初日が遠い。まずは1勝を目指し、次戦では佐藤天彦九段(34)との対局に向かう。
(ABEMA/将棋チャンネルより)