将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が12月27日、棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負第2局で佐藤天彦九段(34)に81手で勝利し、渡辺明棋王(名人、38)への挑戦権を獲得した。終局後に行われた記者会見では、初挑戦への喜びと「良い内容の将棋をお見せできたら」と意気込みを語った。さらに2022年を「充実感があった一方で、課題もあった一年だった」と総括する場面も。会見の内容は以下の通り。
――初挑戦が決まった今の気持ち
前期までなかなか上に進めなくて、今期も今までより上に進めたらいいなとは思っていましたが、最後まで挑戦を意識する感じではありませんでした。一局一局やっていった結果、挑戦に繋げることができて嬉しく思っています。
――渡辺棋王とは4度目のタイトル戦に。印象は?
渡辺棋王は対局条件に合わせて、毎回上手く作戦を練ってこられる印象があります。また、中盤以降でこちらが気付かない手を指されることが多いという印象を持っています。
――六冠獲得がかかる五番勝負への抱負
王将戦と並行して棋王戦五番勝負を戦う形になりますが、しっかり良い状態を維持して、シリーズで良い内容の将棋をお見せできたらと思います。
――今期の五番勝負では長野、金沢、新潟、栃木、東京と各地を転戦。開催地のファンに向けてメッセージを
今回の五番勝負ではいままで訪れたことのない場所が多く、私自身も楽しみにしています。また、見て頂ける方に最後まで楽しんでいただけるような将棋にできればと思います。
――楽しみな場所は?
新潟は以前、王将戦で佐渡島に行った時に通ったことはあるのですが、訪れたことはないので楽しみにしています。
――本局が“指し納め”。2022年も重要な対局がたくさんあったが、1年を振り返った感想は?
1年を振り返ると6月頃までは対局が少なくて、年の後半になって対局が増えた感じでした。自分としては後半は充実して指せたのかなと思います。ただ、前半は内容的にも自分の課題が出てしまうというところが結構あったかなと思うので、充実感があった一方で課題もあった一年だったかなと思います。
――新年早々から王将戦七番勝負と、続いて棋王戦五番勝負が開幕。少し休むか、すでに対局が楽しみな気持ちか、今の心境は?
去年は12月は対局が少なかったですが、今年は今日まで対局がありました。年明けもすぐに王将戦が始まるので、お正月をゆっくり休むというよりは、次の対局を見据えてやっていきたいという気持ちです。
――ダブルタイトル戦。体力面や挑戦面で気になる点は?
去年の夏頃も短い間隔で対局が続くような感じでしたが、自分としては大変という以上に充実感があったので、今回もそういう気持ちでやっていけたらなと思っています。
――2022年で印象の残る対局は
一局挙げるとすると、王位戦七番勝負(対豊島将之九段)の第5局です。途中から定跡を外れて一手一手難しい将棋でしたが、自分なりにしっかり考えて手を選んでいくことができたかなと思うので印象に残っています。
――来年の目標
今の時点で具体的な目標があるわけではないですが、年明けから始まる王将戦と棋王戦の2つのタイトル戦で良い将棋をお見せできればと思います。いろいろ発見があるかなと思いますので、それを活かしていけたらと思います。
――いよいよ六冠が見えてくる中で、八冠獲得への思いに変化は?
自分では全く意識することではないと思っていますが、それを目指すにあたり実力が足りないと思います。現時点では目指すということではなく、少しずつ実力を高めていった先にそういったことが見えてくれば、という風に思っています。
(ABEMA/将棋チャンネルより)