コロナ禍のタイミングで、日本で大人気となったサウナ。「整う」というワードとともに、男女問わずサウナでたっぷり汗をかき、その後に過ごす時間がたまらないという愛好家もどんどん増えている。将棋好き芸人として知られるサバンナ高橋茂雄は、別荘にサウナを作るほどで、タレント清水みさととの共通の趣味もサウナであることから「サウナ婚」という表現もされた。その高橋が、別荘に棋士を呼んで一緒にサウナに入った時のエピソードが秀逸だった。
【中継】第72期ALSOK杯王将戦七番勝負 第一局1日目 藤井聡太王将 対 羽生善治九段
高橋は数年前からどっぷりと将棋の世界にハマり始めると、関連書籍を読み漁り、人脈を活かして棋士、女流棋士の知り合いもどんどん増やしていった。昨年3月には初の将棋関連著書「すごすぎる将棋の世界」が発売され、さらに夏には人気アニメ「ドラえもん」をモチーフにした「ドラえもん ひみつ道具将棋」も考案した。すると昨秋、渡辺明名人(棋王、38)をはじめ、仲良くしている棋士たちを別荘に招き、サウナとひみつ道具将棋で交流を深めた。
高橋 2022年は棋士のみなさんにたくさんお会いできました。僕的に一番のニュースで言うと、僕のサウナ付きの別荘に渡辺名人と戸辺誠先生(七段)と、斎藤明日斗先生(五段)、岡部怜央先生(四段)に来ていただいたことが衝撃でしたね。サウナに入って外気浴で整っていたんですが、その日は戸辺先生のお弟子さんのデビュー戦だったんですよ。行きの車で棋譜中継を見ていたらしいんですけど、そこからサウナに入ってどうなったか「高橋さん、68手目から読んでもらっていいですか」と言われて、僕が手を読んでいくんですよ。そうしたら全員、サウナで整っていながら脳内の盤を動かしながら「そっち行っちゃダメだよー」とか「それ敗着だね」みたいな。棋士のすごさを見ましたね。
サウナにおける「整う」状態は、暑いサウナや直後の水風呂で交感神経が活発だったところから、副交感神経が優位になり、ぼーっとリラックスしている時のこと。「頭が真っ白」「燃え尽きた」という感想を述べる人もいるが、棋士はそんな状態でも棋譜さえ読み上げてもらえれば、脳内盤がスッと出てくる。そのぐらいのことは必死に頭を働かせず、整った状態でも難なくできるということだろう。
サウナとは別に、もう一つ驚いたのが棋士の「ゲーム脳」のすごさだ。棋士たちは初めて「ひみつ道具将棋」に触れたが、高橋は渡辺名人に負けた。その後にサウナに入り、食事をして、酒も飲み、勝負から5時間後くらいに、先ほどの対決の感想戦をしてみた。
高橋 ひみつ道具将棋の真理も、もう見抜いてくるんですよ。対局を振り返るトークをしたら「あの時の『ひらりマント』の使い方が」とか言い始めて(笑)。感想戦って、ひらりマントの話もできんのかいと(笑)。「あの時の『どこでもドア』の使い方が」とか、「『初手のタケコプターのところ』がとか。それも棋士の先生のすごさを見ましたね。
これまでとは違った角度から、将棋界の魅力を世に発信している高橋だが、2023年も棋士たちとのコラボによって、また新たな魅力を生み出しそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)