里見香奈女流五冠(30)の活躍に女性初の棋士編入試験、10代の女流棋士が続々誕生するなど、将棋の女流棋界は話題が豊富だった。元乃木坂46のメンバーで、将棋親善大使を務める伊藤かりんも、同じ女性としてこの活況は大歓迎だ。「里見さんはとてもかっこよかったですし若手の方々は後輩のようなな感じがして、とてもかわいいです」と、2022年を振り返った。
【中継】第72期ALSOK杯王将戦七番勝負 第一局1日目 藤井聡太王将 対 羽生善治九段
400年以上の歴史がある将棋界だが、そのほとんどが「男性社会」。例年160人前後になる「棋士」には、まだ女性が1人もいない。昨年8月から10月にかけて里見女流五冠が、女性としては初めて棋士編入試験の五番勝負に挑戦。結果は0勝3敗と振るわず、快挙達成とはならなかったが、同じ女流棋士に勇気を与え、女性を中心にファンの感動を呼んだのは間違いない。
伊藤 女流棋士の編入試験は初めてでしたからかっこよかったです。他の方だと準備に費やせる時間もいっぱいあったと思いますが、里見さんはやはりそこが違ったのかなとも思いました。でも、忙しい中で試験を受けられる決断をしたところからかっこよかったです。結果としては残念でしたが、ファンとしてはいつかまた挑戦する姿を見たいと思います。ぜひ西山朋佳(女王・女流王将)さんにも続いていただけたら。「棋士」に女性にもなってほしいという気持ちはずっとあります。
体力的なものなのか、将棋の世界を志す絶対数の違いか、いまだ女性の棋士はゼロの状態だが、奨励会三段リーグにも女性が在籍しており、可能性は十分にある。将棋ソフト(AI)での研究が進み、女性であっても男性と同様にレベルアップが可能になった時代にも入った。今後は女流棋士、奨励会所属の女性が続々とプロ入りに挑戦することが増えるだろう。
藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)の大活躍もあり、巷にも将棋の話題が増えた中、そのブームに乗じてか、中高生の女流棋士も一気に増えた。伊藤も番組企画で鎌田美礼女流2級(14)、木村朱里女流2級(14)という中学生コンビと共演した。
伊藤 お仕事で鎌田さんと木村さん、お二人といろいろお話をさせていただきました。鎌田さんは物静かですが好きなことや興味のあるトピックだと表情豊かになりいろいろ話してくださる姿にあどけなさも残っていてかわいいなと思いました。木村さんは企画内で好きなアーティストを発表してくれたのですが、「もしかしたら知らないかもしれないです」と言った後に、めちゃめちゃ有名な誰でも知っている方のお名前を出してきたので「めちゃめちゃ年上扱いされてるのか?」と思いながら、そういうところもかわいかったです(笑)。関西弁で笑って「あー!すいません!」みたいな感じが、後輩みたいでかわいいです。女流棋界のレベルも上がってきたと、いろいろな方から聞くので楽しみな対局が増えて忙しいです。
女流には男性にはない華々しさもある。イベントや大盤解説の聞き手などでは、棋士とともに盛り上げながら、対局についてわかりやすく伝える役目も果たす。
伊藤 2人ともすごく個性的で個々でも素敵なのですが、対照的なのであの2人のセットがすごくかわいいなと思いました。お顔だけでも鎌田さんがかわいい系、木村さんはきれい系だし。同期がいるおかげで頑張れるところもあると思いますし、ライバル的な意味もあります。支え合い競い合える同世代が大事だなと思います。
女流トップがさらなる高みを目指して戦い、次世代のヒロイン候補も続々と出てきた。2023年度も女流棋界への期待は膨らむばかりだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)