決めて欲しいところで、しっかりと決める。これこそが千両役者の真骨頂だ。1月24日のプロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」では、セガサミーフェニックスの近藤誠一(最高位戦)が放送席も驚く劇的ツモ。一時はトップ目へ躍り出る高打点で、ファンを大いに沸かせた。
魅せてくれたのは、親番の南3局2本場だ。この時点で、近藤は持ち点2万1500点で3着目。トップ目の赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)とは1万4000点、2着目のU-NEXT Pirates・仲林圭(協会)とは1万1700点の開きがあった。まず仕掛けたのは仲林だ。恵まれた配牌を順調に進めると、わずか5巡目でカン8索待ちのリーチ。同巡にはTEAM雷電・本田朋広(連盟)がチーを仕掛けた。一方で、近藤は白と西をポンして3筒・8索のシャンポン待ちで白・トイトイのテンパイ。数巡後に5筒を引いた際にはドラのカン4筒待ちに切り替えたが、程なくして危険牌の5索を引いてしまった。
「これはきつい」。解説の土田浩翔(最高位戦)がつぶやいた通り、近藤はテンパイ崩しを選択。だが、すぐさま仲林からその5索がツモ切られ、思わず仰け反る仕草を見せた。それでも食らい付く近藤は、次巡に手牌で4枚目となる2索を吸収。その後に4索を引いた際には「ここはドラが増えて高打点でアガられるケースを考慮しても、リンシャン牌でツモれる機会を作った方がよいんじゃなかろうか」と、フリテンながらも暗槓による3・6索待ちの混一色テンパイを決断した。「嶺上開花という役が、今この瞬間にツモった場合のみ生まれます」「ツモったらすごいよね」。放送席も注目するリンシャン牌を手に取ると、これが何とアガリ牌の3索。このミラクルには土田も「うわっ、ツモった」「出たー!近藤スペシャル」と大興奮で、ファンからも「すごすぎる」「でたぁああ」「かっけぇ」「うそだろー」「やばいわ、この人」「かっこよすぎて涙出た」「これはエグすぎる」とコメントが殺到した。結果的に2着で終幕したが、この嶺上開花・白・混一色の親満貫・1万2000点には近藤自身も「興奮しすぎてツモアガリ牌があっち向きになりました」と照れ笑いを浮かべた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)