将棋の竜王戦1組・出場者決定戦(5位)が2月28日に行われ、渡辺明名人(棋王、38)が三枚堂達也七段(29)に63手で勝利した。渡辺名人は1組残留以上を決め、本戦出場に向けて一歩前進。三枚堂七段は2組降級が決まった。
永世竜王の資格保持者でもある渡辺名人と、巧みな桂使いから「桂馬の貴公子」の異名を持つ三枚堂七段の一戦は、横歩取りの出だしに。前例を離れ、角交換を機に渡辺名人がペースを握った。三枚堂七段は先手の玉頭に狙いを付けて攻撃を仕掛けたが、絶妙なバランス感覚で渡辺名人が着実にリードを拡大。ABEMAの中継でテキスト解説を務めた佐藤慎一五段(40)は「先手の二度の歩の叩きが鋭い手で、後手陣のバランスを崩した。飛車交換後は後手の居玉が祟り、粘れない形になっていた」と解説した。渡辺名人は最後まで快調に攻めて勝利。本戦出場に向けて前進を遂げた。
竜王戦は1組から6組までに分かれて行われ、1組からは上位5人が本戦に出場、下位4人が2組に降級する。16人参加の1組はランキング戦の決勝進出2人、出場者決定戦を勝ち抜いた3~5位が本戦に進むが、ランキング戦の1回戦で敗れ、さらに5位決定戦の1回戦でも敗れると降級する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)