【WBC・1次ラウンド プールB】日本代表10-2チェコ(3月11日/東京ドーム) 

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド3戦目のチェコ戦で、日本代表「侍ジャパン」の先発佐々木朗希投手(ロッテ)が投じた162キロの剛速球がチェコの選手を直撃する死球となり、ヒヤリとする場面があった。

 4-1と日本が3点をリードして迎えた4回、佐々木は6番のムジクを空振り三振に切ってとったが、続く7番のエスカラに対して投じた5球目のストレートが中に入り、エスカラの左膝を直撃してしまう。球速表示は162キロ。エスカラは倒れ込むと、バッターボックスの外で仰向けのまましばらく動けなくなってしまった。

 死球の瞬間、ベンチの大谷が「あれはヤバい」とでも言わんばかりのしかめ面を浮かべたように、球場内にも不穏な空気が流れる。しかしエスカラは自力で立ち上がると、歩いて一塁へ向かった。スタンドの観客から拍手が送られるなか、エスカラは足の状態を確認するように一塁線上を走り出す。無事をアピールするエスカラに再び大きな拍手が起こった。

 続く打者を打ち取ったところで佐々木は1次ラウンドの球数制限に達し、降板。すると佐々木はマウンドを降りる際、エスカラに向かって再び帽子を取り、深々と一礼した。一塁を守る山川も笑顔でエスカラを気遣う様子を見せており、侍ジャパンがアクシデント後に見せた一連の行動にSNSでは「佐々木朗希くんが当ててしまったチェコの選手にちゃんと礼を尽くしてる姿に胸が熱くなった」「チェコ選手へのデッドボール、佐々木朗希はもちろん、一塁の山川も帽子をとって礼をして…山川のフォローや観客の拍手… そういうことよね」と称賛の声が上がった。また、足が問題ないことを伝えるようにダッシュのデモンストレーションを見せたエスカラに対しても「スポーツマンシップあふれるいい人だな」といった声が寄せられた。
(C)Getty Images

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