将棋の棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局が3月19日に行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が渡辺明棋王(名人、38)に勝利、シリーズ3勝1敗で棋王初奪取に成功した。この結果、藤井竜王は保持する5つのタイトルに棋王位を追加し、史上2人目・最年少での“六冠王”に。愛弟子の偉業達成に、師匠の杉本昌隆八段(54)からは「驚くばかり」と祝福のコメントが寄せられた。
藤井竜王が王者の指し回しで棋王位を初奪取し、同時に“最年少六冠王”に輝いた。羽生善治九段(52)が保持していた24歳2カ月の年少記録を3年6カ月と大幅に更新し、この勢いは止まるところを知らない。藤井竜王の師匠・杉本八段は、愛弟子の新たな偉業達成に際し、「棋王獲得おめでとうございます。最年少での六冠達成を喜ばしく思います」というお祝いのコメントとともに、「過密なスケジュールの中、着実に勝ちを積み重ねる姿勢には驚くばかりです」と心境を語った。
さらに、「棋王戦はその昔、大師匠の板谷進九段が当時の名人含めた歴代の『三人の名人(大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、谷川浩司十七世名人)』に勝ち、挑戦者決定戦で敗れた心残りのある棋戦です。今回の孫弟子の快挙を喜んでおられることでしょう。 さらなる活躍を期待しています」と我が事のように喜びのコメントを寄せていた。
新たなタイトルを獲得し六冠王となった藤井竜王だが、約2週間後の4月5日には渡辺名人に初挑戦する名人戦七番勝負が開幕する。さらに4月11日には、3連覇をかけて菅井竜也八段(30)の挑戦を受ける叡王戦五番勝負も開幕。弟子を見守る師匠にとっては、新年度も多忙な一年となりそうだ。