藤井聡太竜王、圧巻の3年連続3度目MVP!「将棋大賞」最優秀棋士賞獲得 タイトル六冠、一般棋戦全制覇と大活躍
【映像】名局賞特別賞に輝いた朝日杯・藤井竜王VS増田七段戦

 将棋の年度表彰にあたる、第50回将棋大賞の各賞が発表され、藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が、3年連続3度目となる最優秀棋士賞に選ばれた。藤井竜王は、保持する5つのタイトルのすべてで防衛を果たし、6つ目の棋王位の奪取にも成功。史上2人目、20歳8カ月の最年少六冠保持者となった。さらに、4つの一般棋戦のすべてで優勝を飾る史上初の快挙を達成。最多勝利賞(53局)、勝率賞(53勝11敗で0.828)、第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局で名局賞を受賞するなどタイトルをかけた大勝負が続く中でも、突出した好成績を残した。

【映像】名局賞特別賞に輝いた朝日杯・藤井竜王VS増田七段戦

 2022年度の藤井竜王は、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(3勝1敗)、叡王戦五番勝負(3勝0敗)、お~いお茶杯王位戦七番勝負(4勝1敗)、竜王戦七番勝負(4勝2敗)、ALSOK杯王将戦七番勝負(4勝2敗)と保持する5つのタイトルで防衛に成功。さらに、棋王戦コナミグループ杯五番勝負にも初挑戦を果たし、3勝1敗で奪取を飾った。この結果、藤井竜王は史上2人目、20歳8カ月で最年少六冠保持者に。さらに、朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHK杯、将棋日本シリーズの4つ一般棋戦すべてで優勝を飾る史上初の“グランドスラム”を達成と、例年にも増して偉業続きの1年だった。

 渡辺明名人(38)、永瀬拓矢王座(30)らトップ棋士と、タイトル戦を舞台にした対戦が続く中でもデビュー以来続く8割超えの安定した高勝率が際立つ結果に。対局数でも全体の2位と6つのタイトル戦で全国を飛び回るハードスケジュールの中で、初参戦となった2022年度の順位戦A級でもプレーオフの末に名人戦への挑戦権を獲得。4月5日には、いよいよ第81期名人戦七番勝負の開幕を控えている。

 2023年度は、谷川浩司十七世名人(60)が保持する21歳2カ月の最年少名人記録更新と羽生善治九段(52)が更新、さらには羽生善治九段(52)が七冠独占して以来27年ぶりの七冠王が誕生がかかる名人戦初挑戦からスタート。同時並行してタイトル防衛戦も始まり、例年以上に厳しい戦いが予想されている。新たなシーズンでも2022年度同様の活躍が続くか、さらに注目を集めることになりそうだ。

 各賞の受賞者は以下のとおり。カッコ内は受賞回数。

【最優秀棋士賞】 藤井聡太竜王(3) 
【優秀棋士賞】 渡辺明名人(9)
【敢闘賞】 羽生善治九段(3)
【新人賞】 服部慎一郎五段(初)
【最多対局賞】 服部慎一郎五段 68局(初)
【最多勝利賞】 藤井聡太竜王 53勝(5)
【勝率賞】 藤井聡太竜王 53勝11敗 0.828(5)
【連勝賞】 渡辺和史六段 18連勝(2)
【最優秀女流棋士賞】 里見香奈女流五冠(8年連続13)
【優秀女流棋士賞】 西山朋佳女流三冠(2)
【女流最多対局賞】 西山朋佳女流三冠 65局(初)
【東京将棋記者会賞】 田中寅彦九段、中田宏樹九段
【升田幸三賞】嬉野宏明氏 (嬉野流)
【名局賞】 第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局 藤井聡太王将VS羽生善治九段
【女流名局賞】第12期リコー杯女流王座戦第5局 里見香奈女流王座VS加藤子女流三段
【名局賞特別賞】 朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント2回戦 藤井聡太竜王VS増田康宏六段(※現七段)

(写真提供・日本将棋連盟)

【映像】名局賞特別賞に輝いた朝日杯・藤井竜王VS増田七段戦
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将棋・4月3日週の主な対局 渡辺明名人と藤井聡太竜王が激突!第81期名人戦七番勝負が開幕