下剋上ドラマに続編 斎藤慎太郎八段、昨年大活躍の黒田尭之五段・冨田誠也四段を指名「さらに強くなってもらえれば」/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】ABEMAトーナメント ドラフト結果一覧

 トップ棋士を打ち破る下剋上ドラマは1年だけじゃもったいない。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議が4月1日に放送された。斎藤慎太郎八段(29)は昨年、エントリーチームのメンバーとして活躍した黒田尭之五段(26)と冨田誠也四段(27)を指名。「まだまだ2人ともこれからの若手。年下の棋士を選ぼうと決めていたのも、成長に期待したいという思いがありました」と、今年も暴れ回ってほしいと2人の名前を書いた。斎藤八段も伸びる若手を間近に感じながら自身の成長につなげる作戦だ。

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 昨年は準優勝した斎藤八段。木村一基九段(49)、佐々木勇気八段(28)という実力者2人とのチームワークもよく、大会を大いに盛り上げた。今年の指名も注目だったが、まず1巡目に選んだのが弟弟子の黒田五段だ。「他のチームを苦しめる存在だったと思うので、選ぶにふさわしいという思いもありました」と、エントリートーナメントを勝ち抜き、自力で本大会に出場、さらに強豪を打ち倒した様子を頼もしく感じた。そして2巡目には、同じく前年のエントリーチームから冨田四段を指名。「闘志も一丸となって戦っている中心に冨田四段もいた印象があります。奨励会の頃から『練習将棋を教えてください』と言われたので、指している間柄です」と、付き合いは長い。

 今や押しも押されもせぬA級棋士となった斎藤八段も、プロ入りから丸11年が経過した。私生活では結婚もし今後の棋士人生を考える上でも、どんどん出てくる若手に対抗し、自分をどこまで高められるかを考える時期に来ている。そんなタイミングで伸び盛りの2人と時間を共にすることは、もちろん後輩にとって貴重ではありつつ、斎藤八段にも大きなものがあるだろう。「昨年は実績も年齢も上の方に引っ張っていただきました。今年は自分が引っ張っていけるようにしたいです」。4月21日で節目の30歳。斎藤八段の新境地も楽しみだ。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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