たとえ負けてもこの男がいる。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2022-23」セミファイナルシリーズ、4月20日の第2試合は渋谷ABEMAS・白鳥翔（連盟）がトップ。第1試合で多井隆晴（RMU）がラスを引くも、直後に取り返す大活躍だ。アガリトップとなったオーラスを制した後は、カメラに向かって粋なウインクも見せた。
決して楽な試合ではなかった。起家からU-NEXT Pirates・仲林圭（協会）、白鳥、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥（RMU）、TEAM雷電・瀬戸熊直樹（連盟）の並びでスタートしたこの試合、白鳥は3着目で迎えた南2局1本場の親番、東を仕掛け、さらにそれをカン。仲林からリーチがかかり、白鳥はその後にツモ切られた2筒をチーしてカン5筒のテンパイ。瀬戸熊からこれをロン、東のみだが2000点（＋300点、供託1000点）の効果的なアガリを得る。南2局2本場は初手で一万をカン。リーチ・ツモ・赤・裏ドラの1万2000点（＋300点）でトップ目に立った。
最終局は全員が2万点台、トップもラスも隣り合わせの“全員集合”だ。南4局は瀬戸熊がアガって白鳥は2着へダウン。同1本場、わずか400点差で上にいる瀬戸熊をマクるべく白鳥は平和・赤をテンパイ、リーチの仲林からこれをロン、2000点（＋300点）で再逆転に成功、多井のラスを打ち消し、さらにこの日、チームポイントの上乗せを果たすトップとなった。
流局が多く重たいゲーム展開もあって、試合終了時は日付をまたぐ時間帯に。白鳥はインタビューで「局があり過ぎて…」と疲れを隠せず、振り返りも冒頭はしどろもどろ。平素はスラスラと語り始める白鳥だが、この様子がこの戦いの苛烈さを物語っていた。セミファイナルはこれでチーム4勝目も「あんまりスコアは伸びていなくて」と苦笑した白鳥。「1戦目の（多井）隆晴も、結構攻めっ気が入っていた。（ラスを引いても）トップもいっぱい取れているし、いいんじゃないかな！」と、抜群のチームワークを活かして上位にいる現状には前向きだ。
白鳥は最後にファンへ「ABEMASは『万年3位』といわれてずっと来ているんですけど、優勝したくてたまらないと4人とも思って、打っています。（ライバルの）みんなもそうだと思うんですが。今年にかける思いは強い。どのチームを応援してくれてもいいんですが、それがABEMASだったら嬉しいです！」と、勝ちたい気持ちを伝えた。
ファンからは「アベマズがんばれ！！！」「ガチ優勝してくれ！！」「お疲れ様でした！よかったよw」とエールが。連続3位は安定した実力の証だが、目標はただ一つ。全員が攻めっ気を強く持って戦う今、ファイナルシリーズ進出を疑う者は誰もいないはずだ。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・白鳥翔（連盟）3万3100点／＋53.1
2着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹（連盟）3万200点／＋10.2
3着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥（RMU）2万800点／▲19.2
4着 U-NEXT Pirates・仲林圭（協会）1万5900点／▲44.1
【4月20日終了時点での成績】
1位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋218.6（8/20）
2位 TEAM雷電 ＋155.3（10/20）
3位 EX風林火山 ＋147.7（10/20））
4位 渋谷ABEMAS ＋66.1（10/20）
5位 KADOKAWAサクラナイツ ＋29.3（8/20）
6位 U-NEXT Pirates ▲72.5（10/20）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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