将棋の第8期叡王戦五番勝負第2局が4月23日、愛知県名古屋市の「名古屋東急ホテル」で行われ、3連覇を目指す藤井聡太叡王(竜王、王位、棋王、王将、棋聖、20)が挑戦者の菅井竜也八段(31)に敗れた。この結果、シリーズは1勝1敗に。再び振り出しに戻った五番勝負、注目の第3局は5月6日、愛知県名古屋市の「か茂免」で指される。
藤井叡王にとって、タイトル戦で初めて振り飛車党との対戦となった今期のシリーズ。開幕局では堅陣を活かして快勝を飾ったが、後手番の第2局では手痛い黒星を喫した。菅井八段の先手三間飛車の出だしから、相穴熊に。藤井叡王は自陣を囲いきる前に積極的な動きを見せたが、菅井八段が柔軟な角引きで対応してペースを握った。
決断良く指し進めていく菅井八段に対し、藤井叡王は持ち時間をたっぷり投入。菅井八段は1歩得を果たすとじわじわとポイントを積み上げていった。長い中盤戦を経て一気に力勝負の終盤戦に突入。藤井叡王も得意の終盤力を活かすべく食らいついて行ったが、あっという間に一分将棋となった。対する菅井八段は持ち時間を1時間以上残しており、冷静に対応。藤井叡王も秒読みに追われながら必死の粘りを見せたが、最後まで差を埋めることが出来ず手痛い黒星を喫した。
勝利した菅井八段は、「あまり研究していなかった形になり、中盤が難しい将棋だった。中盤以降は自分なりに上手く指せたかなと思います」とコメント。敗れた藤井叡王は「仕掛けていったのが無理筋でうまく受け止められてしまった。完敗だったのかなと思います」と話し、菅井八段の完勝譜を認めていた。
現在、防衛戦の叡王戦とともに、名人戦七番勝負に初挑戦中の藤井叡王は、中3日で静岡市で行われる名人戦第2局(4月27・28日)へ。持ち時間も対局者も異なる2つのタイトル戦を渡り歩く藤井叡王の、今後の戦い方にも大きな注目を集めることになりそうだ。
シリーズは1勝1敗のタイに。次戦へ向けて、藤井叡王は「本局は速い段階でミスがでてしまった。もっと読みの精度を高めて第3局以降に臨みたいと思います」と前を見据えていた。第3局は5月6日、名古屋市内の料亭「か茂免」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)