チーム羽生、完封勝利で予選突破へ前進!羽生善治九段の采配的中「先後が偏らないように」/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】5連勝のストレート勝利を振り返るチーム羽生

 これ以上ない完全勝利を見せつけた。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Bリーグ第1試合、チーム羽生とチーム山崎の対戦が5月6日に放送された。タイトル通算獲得数99期のレジェンド・羽生善治九段(52)率いるチーム羽生は、梶浦宏孝七段(27)、伊藤匠六段(20)と伸び盛りの若手棋士2名の構成でチーム山崎に5-0のストレート勝利。オーダー決めからチーム作りと隙無しの勝負術で、チーム名の「不動心」を体現した。

【映像】5連勝のストレート勝利を振り返るチーム羽生

 新生・チーム羽生が、今大会初のストレート勝利を飾った。第1局は公式戦、ABEMAトーナメントでも高い勝率を誇る若手実力者の伊藤六段が登板。チーム山崎からは、自身初のタイトル挑戦権を獲得したことでも注目の佐々木大地七段(27)が初戦に向かった。ともに関東所属で研究会を開く仲の両者。佐々木七段の先手で相掛かりの出だしとなった。伊藤五段がわずかに抜け出すと、リードを奪ってからは相手の粘りを許さない鋭い寄せで快勝。まずは先勝を飾った。

 続く第2局は、どんな状況でも冷静で安定感が光る梶浦七段が登場。敵将・山崎隆之八段(42)の一手損角換わりとなったが、主導権を握るとぐんぐんリードを広げてチームに連勝を持ち帰った。

 勝負の流れを決めるべく、第3局にはリーダーの羽生九段が出。前回・前々回大会でチーム羽生の一員として戦った中村太地八段(34)と“元チームメイト対決”の注目の一戦となった。角換わり相早繰り銀の一戦は、序盤から大乱戦に。先手の中村八段が果敢な攻めで優位に立ったが、羽生九段が切り返して華麗に逆転を決めて見せた。攻めを潰して勝つ圧巻の勝負術で、チーム羽生が大きくリードを広げる結果となった。

 このまま一気に決めたい第4局は、先勝を飾った伊藤六段が再び登場。山崎八段と相掛かりの一戦では濃密な中盤戦が繰り広げられた。ここでも伊藤六段のペースになったが、なんとか1勝を挙げたい山崎八段が根性の入った粘りを見せ混戦に。しかし、正確無比な指し回しを見せた伊藤六段が押し切り、211手で大きな勝利を手にした。

 ストレート勝利へ、第5局は梶浦七段が担うことに。A級棋士の中村八段との対戦は、角換わり早繰り銀の出だしとなった。千日手筋も見えたものの、梶浦七段は正確な指し回しでリードを拡大し136手で圧勝。予選突破へ、まずは初戦勝利を決めきった。“仕事”を果たした梶浦七段は、「伸び伸び気持ち良く指せました。たっくん(伊藤六段)には勝ったよって言いたいです」と満面の笑顔で話し、チームの仲の良さもしっかりアピールしていた。

 実力者揃いのチーム山崎の力を封じ、完全勝利を飾ったチーム羽生。リーダーの羽生九段は、「先後が偏らないように」とオーダー決めの秘訣を語ったが、この采配が見事的中。チームメイトの梶浦七段、伊藤六段も存分に底力を発揮し、羽生九段の狙いに100%の結果で応えて見せた。見事なチームプレーで本戦トーナメントへ前進を遂げた羽生九段は、「また次のチーム斎藤はカラーが全然違う相手なので、気持ちを切り替えて予選突破を目指したい」と冷静に次戦を見据えていた。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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