ゴールデンウィークが明け、「9連休からの5連勤」という人も多いなか、「どうも体がだるい」「仕事に身が入らない」と悩みを抱えていないだろうか。このような不調に対して「ああ、今年も五月病になってしまったな」と“自己診断”し、放置してしまいがちだが、そこにリスクがあるという。医師に話を聞いた。
そもそも五月病は、正式な病名ではない。新年度の環境の変化への適用がうまくいかず、ゴールデンウィークが明けたころから心身に不調が現れることを指している。症状は体がだるい、疲れやすい、無気力になる、不安感が強い、眠れない、食欲が湧かない、頭痛、めまいがあるなどだ。
ヘルスケアテクノロジーズの調査によると、五月病になったことがあるかという問いに「ある」と答えた人は55.6%と半数を超え、さらにその中で「五月病が原因で仕事を休んだことある人」は4割以上、休職した人は3割以上いたという。
厚生労働省の「こころの耳」によると、対処法には「親しい人たちと交流する」「笑う」「仕事から離れた趣味を持つ」「完璧主義をやめる」「“すべき”という思考ではなく、“〇〇であればよい”にする」などがあるという。
こうした五月病について、『ABEMAヒルズ』に出演しているバイリンガルで総合診療医のレニック医師は「海外では五月病と呼ぶ病気はない。『メンタルヘルス』という大きなくくりでみると『うつ病』の症状とほぼ同じだ」と述べる。
「私の経験だと、外国人が日本に初めて来る際などにうつ病になりやすい。5月だからというより、大きく環境が変わる時期には『うつ病』や『不安症』の症状がでやすいということだろう。それが(日本では)ゴールデンウィークが明けたころで、『また頑張ろう』と復帰できない人が少なくないということではないか。五月病の症状が当てはまる人は、自分で『五月病なんだ』と判断するのではなく、うつ病かもしれないと疑って医者に相談してほしい。治療してもらうことが重要だ」
続けて、レニック医師は「体の病気と同じように、メンタルヘルスについても辛いと感じたときには“早めの受診”をしてほしい」と訴える。
「咳が止まらなければ自然と病院に行くだろう。メンタルヘルスについても体の病気と同じように、自分の生活が辛いと感じた際には、早めにメンタルクリニックや精神科を受診してほしい。
うつ病の最も特徴的な症状は“物事を楽しめない”こと。誰でも、映画を見て泣いたり友だちと会って楽しくなることで気分が上下することはある。しかし、うつ病の人は『喜び』を感じることができなくなっていることが多い。そうした症状があれば、医師に相談した方がよいと思う。若い人の場合、フィジカルヘルスよりメンタルヘルスの方が生活に大きく影響することが多い。とにかく一人で悩まないで受診してみてほしい。幸いにも日本はすぐに専門医に相談できる恵まれた環境なので早めの相談をしてほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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