将棋の竜王戦5組ランキング戦の決勝が5月16日に行われ、伊藤匠六段(20)が服部慎一郎六段(23)に93手で勝利した。この結果、伊藤六段は5組優勝と2期連続での本戦トーナメント進出が決定した。
両者にとって公式戦初手合いとなった本局は、本戦トーナメント進出をかけた大一番。本局は伊藤六段の先手で、得意の相掛かりを採用した。序盤に端歩を突いて仕掛け、攻勢に出てペースを握ると一気に激しい攻め合いに。先手は攻撃の手を緩めることなく、的確な攻めを繰り出しリードを拡大させた。しかし、初の本戦進出を目指す服部六段も簡単には決め手を与えないず、粘り強い差し回しを見せた。しかし、最後は上部に逃げ出した後手玉を仕留めて、伊藤六段が待望の勝利を手にした。
終局後、伊藤六段は「激しい将棋だったが、昼休憩のあたりはこちらに選択肢がいろいろあり、悩ましかった指しやすさは感じていたが、決め手がつかめない状態が続いていたかなと思う」と一局を総括。敗れた服部六段は「早い段階でバランスを崩してしまい、そこからは苦しい時間が長かった」とコメントした。
この結果、伊藤六段は前期の6組に続き5組でも優勝。2期連続で本戦行きを決め、「このところ良い結果が出せていなかったので、本戦に進めたのはよかったかなと思う。一局一局良い将棋を指せるように頑張りたい」と意気込みを語った。
前期は、最難関から挑戦権獲得を目指し2勝を飾る善戦を見せたが、3回戦で敗退。今期はさらなる上位進出から、同じ年の王者・藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)への挑戦を目指す。
(ABEMA/将棋チャンネルより)