優勝を諦めていないからこそ、この局を諦めることができた。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2022-23」ファイナルシリーズ、5月18日の第2試合。渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)のリーチを受けたKONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)が、3副露からオリを選択し放銃回避。この好プレーがファンの感動を呼んだ。
場面は南4局。2着目の高宮は3つ仕掛けてテンパイ。そこへ親の多井がリーチをかけてきた。待ちは7索と9索のシャンポン待ちだ。高宮の待ちは多井の現物カン2索だが、ここで9索を一発キャッチしてしまう。ここで高宮は深いため息をつきながら、点棒表示に目をやる。待ちには自信がある。加えて、多井がこのリーチをアガればラス抜けとなってしまうかもしれない。解説の藤崎智(連盟)は「これ戦うんと思うんですけどねえ」と放銃もやむなしと予想したが、高宮は雀頭の北を切って迂回、見事にこのピンチを凌いだ。藤崎は「すごいね」と絶賛。視聴者からも「泣ける」「はい天才!」「神プレーきた!」「これほんとすごいわ」と感動の声が多数寄せられた。
高宮はこの局、4枚の手牌で慎重にオリ、流局へ持ち込んだ。諦めないからこその勇気ある撤退、これにファンも惜しみない賛辞を寄せた、まさに最終決戦にふさわしい名局だった。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)