ジャケットどころかネクタイだって、もういらない！将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Cリーグ第2試合、チーム天彦とチーム菅井の対戦が6月3日に放送された。第4局では、チーム3連敗という苦しい流れを受けてリーダー菅井竜也八段（31）が登場。対局前からジャケットを脱ぎ、さらにはネクタイまで外した闘志満々の様子に、チームメイトから「役立たずどもが！って怒ってるかも」と笑いが起きた。
菅井八段は、プロの間では少数派となっている振り飛車党のエース。生粋の振り飛車党では現在、唯一のA級棋士で、叡王戦五番勝負では惜しくも藤井聡太叡王（竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖、20）に敗れたものの、熱戦を繰り広げた。振り飛車ではどの戦型でも指しこなし、鋭い攻めや粘り強さでデビュー以来、7割近い通算勝率をキープしている実力者だ。
今回はリーダーとして仲のいい関西所属の先輩棋士2人を指名して大会に臨むと、第1試合ではチーム広瀬に対してフルセットの末に勝利。この試合は勝てば1位通過が決定するとあって気持ちを入れて迎えたが、第1試合から先輩棋士たちがよもやの3連敗。道中、まさかの反則負けまであり「むちゃくちゃテンション下がった…」と、苦笑いしながら意気消沈していた。
とはいえ本当に暗く沈んだまま対局するわけにもいかない。第4局、チーム天彦・三枚堂達也七段（29）との一戦に、自らを奮い立たせるようにジャケットを脱ぎ捨てると、さらにはネクタイまで「邪魔だ」とばかりに外して超臨戦態勢に。見るからに気合が入った様子に、痛恨の反則負けを喫したチームメイトの船江恒平六段（36）は「気合入ってきているじゃないですか。よかったよかった。『役立たずどもが！』って怒っているかもしれないけど」と、笑っていた。
これにはすかさずファンからの反応も続々。「レスラーぽい」「引きちぎるのかと笑」「すごい気合い」「シャツも脱ぎそう」「ムキムキやん」と笑いと驚きを提供していたようだ。なお、結果は三枚堂七段のうまい指し回しの前に敗れ、菅井八段は「途中からうっかり、うっかり。気持ちが切れて指しているみたいな感じはあった」と反省していた。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
