仲間から痛烈「難波ちゃん、ひよってるねー」Mリーグ1年目からどん底を見た渋川難波、最高にうれしい初トップまでの道のり
【映像】シーズンを振り返る渋川難波

 よそ行きの麻雀ではダメだった。2022-23シーズンからKADOKAWAサクラナイツに加入した渋川難波(協会)が、1年目を戦って痛感したことだ。前シーズンまで公式解説を務め、各選手の思考をわかりやすく伝え「名解説」の評価を得ていたが、いざMリーグに挑戦してみると“らしさ”が見えない麻雀が続き、もがき苦しんだ。そんな麻雀を見たチームメイト堀慎吾(協会)から突きつけられた言葉が「難波ちゃん、ひよってるねー」。どん底を見た実力者は、後に人生で最も祝福されたと感じる最高の初トップを手にすることになった。

【映像】シーズンを振り返る渋川難波

 所属する日本プロ麻雀協会のNo.1タイトル・雀王の獲得歴があり、数々の大会で活躍する一方、解説者としても人気だった渋川は、ファン大注目の中でMリーグ入りを果たした。4選手の思考をすぐに読み取り、言葉に変換していく解説力は高く評価され、それだけ語れるのであれば麻雀もきっと強いだろうという前評判がついた。ところが開幕してからなかなか結果が出ない。運の要素もある麻雀だけに、もちろん正解を続けていても不運のために負けることがある。ただ、チームメイトから見ても明らかに渋川がフォームを崩したと感じる場面もあった。

 とある試合、またもトップが取れずに渋川が控室に戻ると「マジでどうすればいいかわからなかった」と漏らしたことがある。これを聞いた堀が「えー!?一択でしょ!」と声が裏返るほど驚いた。渋川が「押すなら五万じゃん」と答えると、堀は「え?九万じゃん!いやいや、あれで九万行けないのはまずいでしょ」とまくしたてた。そして最後に言ったのが「難波ちゃん、ひよってるねー。いいよ!行っても別に」。本来は積極的な攻めが持ち味である渋川の麻雀が展開されないことに、古くから付き合いがある堀は、とにかくもどかしかった。

 よく知るからこそ頑張ってほしかった。渋川について堀はシーズン中、こんな感想を持っていた。「いつも通り打てていればいいんですけど、僕から見たら若干緊張しているように見える。せっかく強いのにもったいない。強くても悪い部分ばっかり見られていたら、渋川は解説は上手だけど麻雀は大したことがないってなる。そう思われちゃったら、それを覆すのはすごく難しい。強いんだから、いつも通りに打って。少なくともいい麻雀を打ってもらいたい」。自分が強いと認める者が、最も大きな舞台で輝かないのが我慢ならない。そんな気持ちだ。

 堀の叱咤激励もあってか、少しずつ本来の麻雀を取り戻しつつあった渋川に“劇薬”が投じられる。TEAM雷電・黒沢咲(連盟)がリーグ史上最高打点を叩き出した試合で、同卓していた渋川は、大きく箱を割るリーグ最低得点を記録してしまった。すると森井巧監督は、まさかの連投を打診。腹をくくった渋川は、これまでの不調を吹き飛ばすような戦い振りで、待望のMリーグ初トップをもぎ取った。控室に戻ると、チームメイトやスタッフから祝福の嵐。渋川は「うれしい!本当にうれしい!」と感情を爆発させた。

 渋川のMリーグ1年目は▲105.1で個人21位。大苦戦だった前半戦を考えればだいぶ盛り返したとも言えるが、期待される成績からは遠く離れている。チームも初めてファイナルシリーズ行きを逃した。来期はルール変更があり、セミファイナルシリーズに進出できないと、チーム構成を変更しなければいけない。これまでとは違ったプレッシャーがチームを襲うことになる。渋川は「来期はやるしかない。来年は僕がチームを引っ張って優勝したいです」と力強かった。2年目こそ「魔神」と呼ばれる麻雀で、ファンも仲間も納得させる。

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
ABEMA/麻雀チャンネルより)

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