将棋の順位戦A級1回戦が6月14日に行われ、豊島将之九段(33)が稲葉陽八段(34)に117手で勝利した。藤井聡太名人(竜王、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)への挑戦権をかけた厳しいリーグ戦で、豊島九段は関西の実力者対決に勝利。自身3期目の名人位に向けて、好スタートを切った。
【中継】第82期 順位戦 A級 1回戦 豊島将之九段 対 稲葉陽八段
過去の対戦は豊島九段の13勝、稲葉八段の10勝と拮抗していた両者の対戦は、豊島九段の先手番から始まると、豊島九段が矢倉の出だしから横歩を取って乱戦模様に。稲葉八段が冷静に対応すると、豊島九段も自陣の駒を組み直したところで午前を終えた。午後に入ると、稲葉八段が攻勢に回って豊島九段の飛車を抑え込もうとしたものの、うまく捌いて攻守交代。盤面中央に出た銀が機能し攻めの拠点となると、9筋に角を打ち込んだところから激しい攻防に。稲葉八段の逆襲もあり、ABEMAの「SHOGI AI」が示す数値以上に混戦のまま最終盤に突入したが、持ち時間を先に多く消費していた豊島九段が、残りわずかな時間を有効に使い競り勝ち。振り返ってみれば形勢のグラフは一度も逆転されることのない、安定した勝ちっぷりだった。
豊島九段は次局、今期からA級入りしている佐々木勇気八段(28)と対戦する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)