大谷翔平、衝撃21号も「ノー兜」笑顔も“ナシ”のベンチに漂ったのは悔しさと本気度か

【MLB】レンジャーズ6－3エンゼルス（6月14日・日本時間15日／テキサス）

　エンゼルスの大谷翔平投手が「2番・DH」で先発出場。9回の第5打席に守護神・スミスから一矢を報いる21号2ランを放った。打球速度116.1マイル（約186.8キロ）、飛距離453フィート（約138メートル）で左中間アッパーデッキに飛び込んだ衝撃弾に敵地ファンは静まり返った。ベンチに戻った大谷に恒例の兜セレブレーションはなく、ハイタッチで迎えたチームメイトからも笑顔は見られなかった。

【映像】「一体、何が？」大谷“特大弾”直後のベンチの様子

　ア・リーグ西地区首位を快走するレンジャーズとの4連戦3戦目。チームは初戦、2戦目と連勝。3連勝を目指したこの試合も、終盤7回まで1点を争う好ゲームが展開された。しかし、6回を投げ被安打３、1失点、8奪三振と好投をした先発デトマーズの後を受けたハーゲットが誤算。セミエンに10号2ラン、シーガーにも9号ソロを浴びて3失点。続く8回には3番手・デービットソンが踏ん張り切れずさらに2失点を喫した。

　息詰まる接戦が一転、敗色濃厚となってしまった状況で、9回の第5打席を迎えた大谷。マウンドにはレンジャーズの“絶対的”守護神であるスミス。1ボールから迎えた2球目、真ん中からインコースより94マイルの力強い真っすぐを捉えた大谷の打球は、左中間のアッパーデッキに飛び込んだ。打った瞬間、それと分かる一発。ホームランを確信した大谷は、表情を一つ変えず、むしろ悔しさ、怒りを爆発させるようなバットフリップを見せた。

　淡々とダイヤモンドを一周した大谷。いつもならベンチ前で恒例となった兜セレブレーションのはずが、この日、兜はベンチの後部に鎮座したまま。大谷はもちろん、大谷をハイタッチで出迎えたチームメイトからも笑顔は見られなかった。

　試合を中継したABEMA視聴者からは「兜は？」「被らないんだね」「兜なしか」といった指摘も聞かれたが、先月6日（同7日）のレンジャーズ戦において、9回に大量7失点を喫したその裏、ドルーリーが7号ソロを放つも、兜パフォーマンスを辞退した経緯もある。

　明日は4連戦での勝ち越しをかけ落とせない4戦目。連敗阻止をかけ、大谷が今季14度目の登板で6勝目を目指す二刀流マウンドで今日のリベンジに臨む。投手としてはここ4試合で勝ち星から遠ざかっている大谷だが、打者としては6月に入って6本のホームランを放つなど月間打率.423と絶好調を維持。さらに直近7試合に限っては打率.500と驚異的な数字を残している。明日の試合で大谷が6勝目を挙げ、22号を放って笑顔の兜セレブレーションが見れることをファンは待ち望んでいる。（ABEMA『SPORTSチャンネル』）