「クマさん出てきちゃった囲い」ってなに!?対局盛り上げる藤森哲也五段の爆笑解説が話題 「かわいい笑」「ネーミングセンスw」/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】独特な表現で状況を伝える藤森哲也五段

 瞬発力抜群の爆笑解説が、またも大活躍だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Eリーグ第1試合、チーム渡辺とチーム千田の対戦が7月8日に放送された。フルセットまでもつれ込んだ熱戦は、スコア5-4でチーム千田が勝利。リーダー千田翔太七段(29)が大会初出場で、初のチーム勝利にホッとするという試合になったが、最終第9局を盛り上げたのは、対局者のチーム渡辺・佐々木勇気八段(28)、チーム千田・西田拓也五段(31)、そして解説を務めた藤森哲也五段(36)。特に藤森五段は超早指しながら、瞬時に聞き慣れないワードで状況を説明し、ファンの笑いを誘うこととなった。

【映像】独特な表現で状況を伝える藤森哲也五段

 藤森五段は大盤解説やイベントなどで軽快なトークを繰り広げることで知られる人気棋士の一人。YouTubeでも様々な企画動画を公開している。また棋士としてはABEMAトーナメントのドラフト会議で実況を担当するのが恒例で、かつエントリートーナメントを勝ち抜いて本大会に出場を果たしたこともある。今回はチーム入りを果たせなかったものの、大盤解説でその話術を披露した。

 チーム千田が3連勝した後、今度はチーム渡辺が4連勝。さらにチーム千田が踏ん張ってスコア4-4で最終局にもつれ込むと、対戦者は昨年の大会で何度も対戦した佐々木八段と西田五段。戦型は佐々木八段の居飛車穴熊に、西田五段が三間飛車という対抗形で進んだ。すると振り飛車使いの西田五段が、一度3筋に振った飛車を、佐々木八段の玉頭となる9筋に回る気配を見せた。これに反応したのが佐々木八段。一度は9九の位置まで深く入り込んだ自玉を、再び▲8八玉に戻すというめったに見られない手を指した。

 控室で見ていたリーダー渡辺明九段(39)は、この展開を予想していたのか「戻ろう。ほら(笑)」と、▲8八玉を見た瞬間にニヤリ。「恥を忍んで戻りましょう。最終局だから」と我慢の手を評価すると、もう一方の控室にいた千田七段は「うわー!まじか」、藤本渚四段(17)も「これは絶対に想定していない」と驚きの声を連発した。

 この局面で実力を出したのが藤森五段だ。「クマさん、こんにちはですね」と穴熊に引っ掛けてコメントすると、「1回入ったけど『なんてね』って言って戻ってきた。結構珍しいですね。相当見たことがないです」とユーモアを交えて珍しい手だとクローズアップした。さらには形が大きく変わった“元穴熊”の形に「何囲いっていうか教えてください」とつぶやくと、その後には自ら「クマさん出てきちゃった囲い」と命名していた。絶妙なネーミングにファンからは「かわいい笑」「ネーミングセンスw」「おなかいたいw」「冬眠明け囲い」という声が集まった。

 なお対局は「クマさん出てきちゃった囲い」がうまく機能せず、独特な指し回しでペースを握った西田五段が快勝。チームにも大会初勝利をもたらした。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】千田翔太七段の“考える人”ポーズ
【映像】千田翔太七段の“考える人”ポーズ
【映像】独特な表現で状況を伝える藤森哲也五段
【映像】独特な表現で状況を伝える藤森哲也五段
【映像】独特な表現で状況を伝える藤森哲也五段