性教育や育児情報をメディアやSNSで発信している産婦人科専門医の稲葉可奈子氏は「問題は2段階ある」と話す。
「1つは性的同意だ。まず、完全に嫌と言っているのに『女の子は押し倒されることがかわいい』的な雰囲気が問題だ。誤った価値観を刷り込んでしまうと思う。次のページで別の男の子が助けに来たが『誰かが助けてくれれば性的同意を無視していい』という話ではない。2つ目は、今回のような性的描写を小学生向けの雑誌に載せていいかどうかだ」
もし、性知識がない子どもが不適切なシーンを見てしまった場合、親はどのように対応するべきなのか。稲葉氏は「隠すのではなく、それをもとに気をつけるべきことを教えてほしい」と話す。
「子どもの発達、発育にはかなり個体差がある。例えば『小学一年生でひらがなを教える』といったように、性教育は画一的ではない。子どもの成長段階を知って、フレキシブルに親子間で話をする材料にしてほしい。親の“検品”自体は悪くない。隠す、見せないのではなく、子どもがどのようなものを見て興味を持つか、ある程度把握してほしい」
漫画分野に詳しいライター「過剰な反応」



