『「若者の読書離れ」というウソ』(平凡社新書)の著書で、漫画分野に詳しいライター・飯田一史氏は「今の小学生向けの漫画・小説において、過激な性的表現ほとんどない。たいていキスまでしか描かれない」と話す。
「2000年代に小学館の『Sho-Comi』という女子中高生向けの漫画雑誌で『性描写が過激だ』と当時、非常に問題になった。以降、特に対象年齢が下がるほど、各編集部がセンシティブにやってきた。そもそも、今の読者にオラオラ系男子はウケないので、需要がない。性的同意なしで何かをすること自体がウケていない」
該当のシーンについて、飯田氏は「プロットの部分を読んでも、性行為どころかキスすらしていない。勢いで押し倒しはするが、他キャラクターに阻止されている。切り取られた部分だけを読むと分からないが、女の子は魔王の娘で、男子3人は婚約者候補。女の子が自らの意思でほっぺやおでこにキスするシーンは、コミックス1巻目からある。無理やりは当然よくないが、我慢できない男の子が抱きついてきたりすると女の子が『駄目だよ』と言ったり、今回のように邪魔が入ったりする。『同意なしはダメ』と毎回読者に丁寧にアナウンスしていると思う」と話す。
その上で、飯田氏は「もし問題があるなら、そもそもの設定である“2人の関係性”が、付録に収録されている部分だけ読むと抜け落ちている。だから、すごく一方的に押し倒されているように読める。あとは、台詞で『エッチ』と連発しているところだ。他の回を読むと『溺愛ロワイヤル』は、エッチな気持ち自体にそれほどフォーカスしていない。普通の恋愛だ。なぜ付録でこの回を選んでしまったのか、もう少し配慮があったほうがよかったと思う」と述べた。
番組取材にニコ☆プチ編集部の回答

