将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Eリーグ第3試合、チーム藤井とチーム渡辺の対戦が7月22日に放送され、藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)率いるチーム藤井が勝利し、堂々の予選1位で本戦出場を決めた。この試合で5つに分かれた予選リーグ全15試合が終了。各リーグから上位2チーム、計10チームが本戦出場を決めた。優勝候補の一角・渡辺明九段(39)のチーム渡辺らが姿を消す波乱の中、チーム藤井は前回の予選敗退から復活。2期ぶり5度目の優勝を目指す“大本命”の戦いぶりから今後も目が離せない。
例年の常勝軍団・チーム永瀬、チーム糸谷とともに初優勝に期待が寄せられているのが予選Bリーグを1位で駆け抜けたチーム羽生だ。6月に日本将棋連盟会長に就任した羽生善治九段(52)が安定感抜群の梶浦宏孝七段(28)と伊藤匠六段(20)と抜群のチームワークで予選を突破。本戦初戦では佐藤天彦九段(35)率いるチーム天彦と激突する。
2期ぶり5度目の優勝を目指す“大本命”・チーム藤井は、チーム斎藤VSチーム康光の勝者とのマッチアップに。チーム斎藤の斎藤慎太郎八段(30)は前回大会のエントリーチーム「下剋上」のメンバー・冨田誠也四段(27)と黒田尭之五段(26)をドラフト指名。チーム康光の佐藤康光九段(53)は優勝経験者の高見泰地七段(30)と実力者の大橋貴洸七段(30)を推進力としており、チーム藤井に挑むのはどちらか1回戦から注目カードが組まれている。今季のチーム藤井は、藤井竜王・名人が修行時代から交流を持つ澤田真吾七段(31)、兄弟子の齊藤裕也四段(26)の編成とあり、例年以上に笑顔が多くリラックスした表情が光る藤井竜王・名人。予選の勢いそのままに、優勝奪還を射程範囲に捉えている。
さらに、前回圧倒的な強さで初優勝を飾ったチーム稲葉の今季の躍進も必見だ。連覇を目指す今季の本戦2回戦では、強敵ぞろいの予選Eリーグを2位通過し今季の台風の目となっている初参戦のチーム千田と対戦する。
本戦では、各予選2位通過の5チームのうち4チームが1回戦で対戦。どのチームも優勝候補に挙げられるほどの豪華メンバーがズラリと並んでいる。負けたら終わり、手に汗握る超早指し戦の激闘を制し頂点に立つのはどのチームか。注目の本戦は7月29日、チーム永瀬VSチーム広瀬の対戦で幕を開ける。
◆予選通過チーム
Aリーグ 1位・チーム稲葉 2位・チーム永瀬
Bリーグ 1位・チーム羽生 2位・チーム斎藤
Cリーグ 1位・チーム天彦 2位・チーム広瀬
Dリーグ 1位・チーム糸谷 2位・チーム康光
Eリーグ 1位・チーム藤井 2位・チーム千田
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)