投手として8勝、打者としても7月18日に行われた一戦で、3試合連続となる今季35号本塁打を放ったロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。早くもア・リーグの本塁打王争いでは“イチ抜け”した感さえある大谷だが、そんな大谷が“独走”状態となっているのが、現在7本をマークしている三塁打だ。
【映像】大谷翔平が爆速スピードで三塁まで到達する瞬間
7月23日に放送された『ABEMAスポーツタイム』(ABEMA)では、投打に大活躍の大谷の成績について紹介しつつ、改めて“三塁打数”についても触れることとなったが、番組に出演した元MLBの川﨑宗則氏は、「このね、スリーベースというのがですね、非常に難しいんですよ」と、そもそも打者にとって“三塁打”というもの自体、その達成が難しい安打であるとし、さらに“大谷特有の難しさ”として、「それが何故か?というと、外野手もうまい選手がいるんですね。しかも大谷選手へのケアとして(守備位置が)後ろに下がってるんで。」と、外野手の間を抜いたり、外野手の頭を越すような打球が出やすい前進気味のシフトであれば、比較的、三塁打は出やすいものの、大谷のように相手外野陣が予め長打を警戒する形で、後退したシフトをとっていると、たとえ長打性の当たりを放ったとしても、打球に追いつくまでの時間が短くなる傾向があるため、俊足を飛ばしたとしても限界があると解説した。
続けて川﨑氏は、実際に大谷が三塁打を放った際のVTRを確認しながら、「大谷選手、足が速いんですよ。ホームから三塁まで100メートルはないんですけど、90メートルぐらい。90メートル。それを全力で走らないといけないんで。非常に体力がいるんで、疲れるんですけど、大谷選手、野球小僧。打ったら先の塁。諦めず腕を振って頑張って走るんですね。」と、打球を放ってからおよそ90メートルもの距離を全力疾走し続けないと、三塁には到達できないため、足の速さに加え、その走りを支える持久力も必要であるとしつつ、「ホームランを打つことよりも、こっちの方が体力使うんですよ。(7本の三塁打は)大変なことですね。」と、ただでさえ体力を消耗する“三塁打”を、投打の二刀流でありながら、大谷がリーグトップの7本をマークしていることの“スゴさ”について、どこか感銘を受けたような面持ちで語ることとなった。
(ABEMAスポーツタイム)
写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ