7月26日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対福岡ソフトバンクホークスの一戦で、来日5年目にして初勝利を掴み取ったソフトバンク・スチュワート・Jr.が野球ファンの間で話題となっている。

【映像】三振を奪い“雄叫び”をあげる衝撃の瞬間

この日、今季4試合目の先発となったスチュワート・Jr.は、初回、味方のエラーも重なる形で1点を失うも、そこから粘りのピッチングを披露。6月18日のセ・パ交流戦、阪神タイガース戦で160km/hをマークし、回転数は2700rpmを超えるとされる剛速球に加え、120km/h台のカーブ、130km/h台のカットボール、さらには140km/h台のスプリットと、変幻自在のピッチングで、オリックス打線を翻弄。7月17日に行われた前回の対戦では、好投するも“怪物”山下舜平大に投げ負けたオリックスに雪辱を晴らす形で、6回を投げて6奪三振、自責点0と危なげないピッチングで嬉しい来日初勝利を手にすることとなった。

スチュワート・Jr.といえば、2018年のMLBドラフト会議でアトランタ・ブレーブスから1巡目で指名されたものの、合意に至らずに地元の短大学へ進学。2019年の途中に来日し、ソフトバンクへと入団したという異色の経歴を持つ選手として知られているが、来日後は、日本でいうところの“高卒ルーキー”とほぼ同じ状況であったことや、慣れない異国での生活や、“日本式野球”に苦労しつつも、地道に体づくりと実戦経験を重ねる日々を続け、2021年にようやく1軍デビューを果たすものの、昨季は1軍登板がなく、これまで未勝利の状態が続いていた。

しかし、そもそもスチュワート・Jr.は、2018年のMLBドラフトで1巡目(全体8位)指名を受けたほどの逸材。実際、デビューイヤーの2021年にいきなり21本塁打を放ち、既にチームの中心選手として活躍中のジョナサン・インディア(シンシナティ・レッズ/全体5位)や、今季も既に9勝を挙げ、先発の柱として活躍し、また“ピッチングオタク”としても知られるローガン・ギルバート(シアトル・マリナーズ/全体14位)、デビューイヤーから先発一筋でチームを支え、昨季は嬉しい初の2桁勝利をマークしたブレイディ・シンガー(カンザスシティ・ロイヤルズ/全体18位)、また、変り種のところでは1度は入団したものの、ほどなくNFLドラフトで全体1位指名を受けて退団し、アメフト選手に“電撃転職”を果たしたカイラー・マレー(オークランド・アスレチックス/全体9位)など、既に様々な形で一定の実績を挙げている顔ぶれが目立つことを思えば、今後の期待値については、否が応でも上げざるを得ないというのが正直なところだろう。

なお、こうしたソフトバンク・スチュワート・Jr.の初白星に、かねてよりその活躍に期待していたネット上の野球ファンも大興奮。「ここまでずっと良いピッチングでもなかなか勝ちが付かなかったから、ようやく勝ちが付いてくれて嬉しい。初勝利おめでとう」「スチュワートマジで化けたよね、四球が少ないのがなんといっても素晴らしい」「ホークスの先発で気迫全面に出す選手少ないから、まじで頼もしいし見てて楽しい。」「打線を抑えたときの吠えるスチュワート大好き」「ドラ1のプライドをかなぐり捨てて筑後でがむしゃらに努力したというエピソードを聞いているので、今回の初勝利は本当に嬉しいし、なにより立派な投手に成長したなぁと感慨深いです。」「投げてる球はエグい」「真っ直ぐのスピンレートほんとエグいんだよなぁ。メジャーと比較してもトップクラスレベルだし、ほんとポテンシャルがすごい。」「すごいな回転数 MLBでもトップクラスやろ」といった様々な反響が寄せられている。