昨期の悔しさを、新設タイトルの頂上で晴らしてみせた。Mリーガー、各プロ団体推薦者が出場する「Mトーナメント2023」ファイナルが8月6日に行われ、渋川難波（KADOKAWAサクラナイツ・協会）が記念すべき初代優勝者となった。第1試合、序盤はチャンス手が決まらず大苦戦するも、中盤に親で大きく加点に成功し逆転トップ。最終戦はライバルそれぞれの猛攻に苦しめられたが、見事に逃げ切り優勝を果たした。
泣いても笑っても2戦限り。第1試合は石立岳大（連盟）、坂本大志（最高位戦）、渋川、二階堂瑠美（EX風林火山・連盟）の並びで開始した。序盤は瑠美がロケットスタート、石立がそれに続き渋川はラス目で南入。南1局に3900点をアガって追撃態勢とすると、南3局の親番では發・中・赤・ドラ2の1万2000点をツモ。さらに同1本場はタンヤオ・ドラ2の7700点（＋300点）を坂本からロン。これでトップ目に立ち、第1試合をトップで折り返した。
この戦いは初戦トップが有利、しかし舞台は決勝戦だ。1位しか意味がない戦いは、渋川も静観ばかりではいられない。東1局、渋川は石立との2軒リーチを制し満貫ツモ。さらに東2局は役牌を仕掛けてライバルへプレッシャー、両面より対々和が付くシャンポン待ちを選び、自らアガリ牌を丁寧に引き寄せ、混一色・対々和・西・白の1万2000点をゲット。これで頭一つ抜け出したが、ここまで勝ち上がってきたライバルも決して諦めない。瑠美の猛追を受け、南2局を迎えた段階で渋川4万2300点、瑠美3万9700点とほぼスコアは並んでしまった。
さらに石立、坂本もそれぞれ自身の親番を死に物狂いで守り、南3局に渋川は親の坂本へ痛恨の7700点を放銃。これで親がない石立にすら優勝のチャンスが復活、4者に優勝の可能性がある状況で同3本場に突入した。ここで渋川はダブ南をポン、坂本から2000点（＋900点、供託3000点）をアガり、これが事実上の決定打。オーラスは瑠美のリーチに必死のベタ降り、優勝を掴み取った。
優勝後のインタビューでは「とにかく嬉しいです。本当にほっとしました」。優勝を決めたアガリには第2試合の東2局、混一色仕掛けの跳満を挙げた。この日は同じ麻雀プロである渋川の妻、早川林香（連盟）もリーグ戦を戦っており、次点で昇級を逃すという悔しい思いをしていたという。渋川は「せめてそれを超える喜びを」とリクエストされたと明かして、期待に応えたことを喜んだ。優勝を一番届けたいのはファンと語り、最後に渋川は｢去年から参戦したんですけど、パッとしなくて悔しい思いでオフシーズンを迎えていたら、このような大会を開催していただいたことによって最高の結果が出たので、本当に感謝の気持ちしかないです。この勢いでサクラナイツは絶対にファイナルで行って優勝してチャンピオンを取り戻すんで！」と早くも優勝宣言。ファンからは「よっしゃ！！ほんま頼むぞ！！！」「渋強かった！」「優勝あるのみサクラナイツ」と多数のコメントが寄せられていた。
【第1試合結果】
1着 渋川難波（KADOKAWAサクラナイツ・協会）3万5500点／＋55.5
2着 二階堂瑠美（EX風林火山・連盟）2万8300点／＋8.3
3着 石立岳大（連盟）2万1200点／▲18.8
4着 坂本大志（最高位戦）1万5000点／▲45.0
【第2試合結果】
1着 渋川難波（KADOKAWAサクラナイツ・協会）4万3700点／＋63.7
2着 二階堂瑠美（EX風林火山・連盟）3万6700点／＋16.7
3着 石立岳大（連盟）1万5500点／▲24.5
4着 坂本大志（最高位戦）4100点／▲55.9
【最終結果】
1位 渋川難波（KADOKAWAサクラナイツ・協会）／＋119.2
2位 二階堂瑠美（EX風林火山・連盟）／＋25.0
3位 石立岳大（連盟）／▲43.3
4位 坂本大志（最高位戦）／▲100.9
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mトーナメント プロ麻雀リーグ「Mリーグ」初となる冠大会で個人によるトーナメント戦。現Mリーガー32人と元Mリーガーやタイトルホルダーなどプロ5団体からの推薦者20人、計52人で行われる。Mリーグの昨シーズン優勝チーム所属の4選手は、ベスト16からのシード出場となる。全試合「Mリーグルール」で行われ、予選は1stステージ、2ndステージ、ファイナルステージに分けて行われ、それぞれ2位までが次のステージに進出。セミファイナル（ベスト8）、ファイナルを経て優勝者を決める。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
