頼れる主砲の一発に、思わず手が挙がってしまったのかもしれない。大阪代表・履正社が初回、4番の森田大翔選手（3年）が先制の3ラン本塁打を放った際、二塁走者の西稜太選手（3年）が思わず三遊間で“バンザイ”を見せた。
1回裏、履正社は先頭の西が左バッターボックスにゆっくり入った。ライバル大阪桐蔭を倒して履正社で甲子園に行きたいと、履正社野球部の門を叩いた西は、鳥取代表・鳥取商先発の山根汰三選手（3年）がカウント3-1から投じた134キロの内角ストレートを鋭く振り抜き、ライト前へ運びリードオフマンとしての仕事をきっちり果たした。
履正社は西のヒットを皮切りにこの回、送りバントと四球で1死一、二塁とチャンスを広げると、ここで府大会でも3試合連続のホームランを引き下げ、甲子園に乗り込んできた4番・森田の甲子園初打席を迎える。1-1からの3球目、なかなかサインが決まらない鳥取商バッテリーの心中を読み切り、インハイのストレートを強振。快音を残し放たれた打球は一瞬にしてレフトフェンスを越えスタンドに消え、履正社のスコアボードに3が刻まれた。
この一発を森田以上に喜んだのは、二塁走者の西だった。打った瞬間、三遊間でホームラン確信の“バンザイ”ポーズ。頼れる4番の一振りに思わず両手を高々と掲げた。同級生の一発に対し、素直に喜びを全身で表現するその姿はチームメイトを心から信頼している様子がうかがえ、チーム内の雰囲気の良さがよくわかるシーンとなったと言えるだろう。
画像提供：バーチャル高校野球
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