【第105回全国高校野球選手権記念大会】クラーク国際7-1前橋商(1回戦・第3日・第2試合・甲子園)
クラーク国際が1点を勝ち越した直後の7回裏。前橋商は1死一塁で先発ピッチャーの8番坂部羽汰選手(3年)に代打・高橋一輝選手(2年)を送った。後続が倒れて同点とならず、8回表から2番手で清水大暉選手(2年)がマウンドに上がった。
身長190センチの長身から投げ下ろすストレートの最速は148キロで、群馬大会では主に逆転後のマウンドを守り切った。前橋商が群馬大会6試合中5試合で逆転勝利を果たしたのも、清水選手の好リリーフが大きかった。4試合で8イニングを投げ10奪三振、失点はわずか1だった。
しかし、甲子園のマウンドは緊張を高めた。8回表、クラーク国際の3番新岡歩輝選手(3年)にデッドボールを与えると、続く4番中村光琉選手(3年)が送りバント。5番麻原草太選手(3年)には高めのストレートにバットを出させてライトフライ(二塁走者は三進)。北北海道大会の準々決勝で三者連続本塁打を放ったクリーンナップも、清水選手の「二階から投げ下ろす」直球に手を焼いたようだった。
しかし、続く6番高木馴平選手(3年)にセカンドへタイムリー内野安打を打たれて2点差になる。続く7番安部政信選手(3年)にはセンター前へ弾き返され、直後に内野手二人がゴロを連続エラーでさらに2点を献上。1番鈴木凰介選手(2年)に2点タイムリー二塁打を打たれ、一挙5点を奪われてしまった。
気落ちしたのか、清水選手はこの回9人目のバッターに四球を与えると、マウンドを川端爽良選手(3年)に譲りダグアウトへ。場内からは大きな拍手が贈られたが、清水選手の表情は悔しさでいっぱいだった。
来年こそエースとしてマウンドへ。同じ長身の佐々木朗希投手(現ロッテ)に憧れる清水選手は、この悔しさを成長の糧とするだろう。
「いい球もあった!来年楽しみ」「清水くんおつかれさま」「また来年戻ってこい」――マウンドを下りた清水選手には激励コメントが数多く寄せられた。
画像提供:バーチャル高校野球
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