【第105回全国高校野球選手権記念大会】大垣日大7-2近江(1回戦・第3日・第4試合・甲子園)
名将たる所以がかいまみえる試合だった。甲子園勝利数で通算39勝を挙げていた大垣日大・阪口慶三監督が近江を破り、歴代7位タイとなる通算40勝目を挙げた。甲子園出場監督として史上最高齢となる79歳の名将、その采配は実に見事な内容だった。
【映像】阪口監督の采配的中! 大垣日大 - 近江 ハイライト
1点を先制した直後の3回表1死一、三塁で山田渓太選手(3年)が2点二塁打を放つと、続く6番日比野翔太選手(3年)の打席で山田選手に三盗のサインを出した。近江の投手が代わった直後でもあり、緊張が漂う瞬間を見逃さなかった。まさかの盗塁が成功すると、今度はフルカウントから日比野選手に3バントスクイズを発令。点差を4点と広げた。
相手に傾きそうな流れを押し止めた、と感じたのが投手交代だ。4-0とリードした6回裏、2死一塁の場面。大垣日大のエース山田選手が近江の5番山田修斗選手(3年)にレフトスタンドへ運ばれた。2ランホームランで2点差となり、甲子園の空気が一気に変わった直後。
阪口監督は山田選手をレフトに回し、2番手の矢野海翔選手(3年)にスイッチした。最初のバッターである6番中川慶信選手(3年)にレフト前へ運ばれたものの、次打者の塚脇柊太選手(3年)をセカンドフライに打ち取りチェンジ。矢野選手への継投で甲子園に広まった近江の押せ押せムードが一瞬で静まった。
この継投で相手の流れを止めると、続く7回表に3点を奪い試合を決めた。台風が影響する難しいコンディションの試合を制したのも、名将の経験によるものだろう。
試合後には、史上最高齢の勝利を称えるインタビューで孫(高橋慎選手・3年)とともに甲子園の土を踏んだ件を尋ねられる「本当にかわいいな、と話したんですけど、孫の方は無視してる。けしからん! 3年前に呼んで、夢の甲子園を見せなあかんと責任はありましたね。(選手は)みんな私の孫ですから。ただその中でも責任がある。おじいちゃんと高校生が一緒に。79歳ですから」と語った。
甲子園40勝目に関しては「長いこと監督をやらせてもらって、幸せというよりほかないでしょう。近いところに甲子園があるんだけどね!甲子園は行けんところです。決勝で負けては」と語った。山田選手に三盗をさせた件は「いいスタート。運動神経もセンスもいい」と褒めたたえた。
79歳にして今なお現役。多くの高校野球ファンに希望を与える名将に、1つでも多く勝ってもらいたい。
画像提供:バーチャル高校野球
8月23日 決勝のハイライト動画
準決勝までのデイリーハイライト動画も
1〜3回戦(タップで動画へ) | ||
---|---|---|
8/6 第1日 | 8/7 第2日 | 8/8 第3日 |
8/9 第4日 | 8/10 第5日 | 8/11 第6日 |
8/12 第7日 | 8/13 第8日 | 8/14 第9日 |
8/16 第10日 | 8/17 第11日 | |
準々決勝・準決勝(タップで動画へ) | ||
8/19 第12日 | 8/21 第13日 |
『熱闘甲子園』動画一覧
8月6日(日)の開幕戦から決勝まで無料配信! キャスターは古田敦也氏、斎藤佑樹氏、ヒロド歩美氏が務めます。
日 | 見どころ(タップで動画へ) |
---|---|
第1日 | 浦和学院と仙台育英の好カードは3時間超えの大熱闘! |
第2日 | 川之江には幼なじみが4人…叶えたい願い |
第3日 | 通算140HR!花巻東の佐々木麟太郎選手が最後の夏 |
第4日 | 感謝届けたい相手がいる夏…第4日は家族の絆に胸が熱くなる! |
第5日 | 斎藤佑樹氏、捕手のキャッチング技術に脱帽! |
第6日 | 球児に宿るアルプスのチカラ |
第7日 | 笑顔 感謝 信頼...宿命 |
第8日 | ALL for ALL~全員が全員のために~ |
第9日 | 夏に輝くモンスター! |
第10日 | 広陵・主将が最高の舞台で最愛の人へ恩返し |
第11日 | 仙台育英に挑む履正社の信頼し合うW左腕 |
第12日 | 昨夏王者・仙台育英に立ち向かうは花巻東 |
第13日 | ベスト4がいちばん長い夏をかけて激突! |
第14日 | 4年ぶりに戻ってきた声に包まれ最後の一戦 |