痙攣続いた大谷翔平が“無事”勝利、背信続いた守護神がセーブ　史上初の偉業だけではない大きな勝利でエンゼルス逆襲へ

【MLB】エンゼルス4－1ジャイアンツ（8月9日・日本時間10日／アナハイム）

　エンゼルスの大谷翔平投手が「2番・投手」で先発出場。序盤制球に苦しみながらも6回97球を投げ1失点の粘りのピッチングで今季10勝目をあげた。これで大谷は2年連続での2ケタ勝利到達。史上初となる2年連続「２ケタ勝利＆２ケタ本塁打」、同じく史上初の「10勝・40本塁打」達成など歴史的な勝利となったが、その内容も価値のあるものだった。

【映像】大谷翔平、2年連続”2ケタ勝利＆2ケタ本塁打”達成のハイタッチ

　昨季の15勝＆34本塁打に続き、今季ここまでで10勝＆40本塁打というハイレベルでの「２ケタ勝利＆２ケタ本塁打」を達成したこともさることながら、大谷が無事97球を投げたということに安堵した人も多いのではないだろうか。7月27日（日本時間28日）にメジャー初完投初完封を達成した直後に行われたダブルヘッダー第2試合で、2本塁打を放ったものの左脇腹の痙攣により途中交代した大谷は、翌日の試合も両足の痙攣で途中交代。8月3日（同4日）の前回登板では無失点の好投を続けながら右手指の痙攣により4回59球で突如降板するなど、このところ体の痙攣を訴え途中交代する場面が目立っていた。5月3日（同4日）以降3カ月以上1試合も休むことなく出場を続ける大谷は、本人も言及している通り疲労はピークに達しているはずだ。この日も序盤から万全とは言えない様子を見せたが、その中で心と体をコントロールすると、4回以降は3人で抑えるなど終わってみれば6回自責点0。打線が逆転するまで耐えるピッチングを見せた。

　さらに、この日はこれまで何度も不安定さを見せていた中継ぎ・抑えがジャイアンツの反撃をかわすことに成功。特に、最終回を任されながら試合をひっくり返されることが多く連敗が続いた大きな一因となっていたクローザーのエステベスが、9回をなんとかしのいでセーブを挙げている。最後の打者を打ち取りガッツポーズを見せたエステベスが、大谷とハイタッチを交わすと、ファンからは「よくやったエステベス」「エステはがんばった」のコメントが飛んでいた。

　この1試合で不安材料が払拭されたわけではなく、ワイルドカード争いで7ゲーム差と依然厳しい戦いが続くことも変わりはないが、接戦を勝ちきり連敗を7で止めた昨日の試合以降、状況が好転したことは確か。明後日からの同地区上位の2チームとの敵地での6連戦にも期待したい。
（ABEMA『SPORTSチャンネル』）