【第105回全国高校野球選手権記念大会】創成館 6-3 星稜(2回戦・第5日・第3試合・甲子園)
今年の夏の甲子園は、最終回に何かが起こる。第105回全国高等学校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)の第5日目が10日、阪神甲子園球場で行われた。第3試合では星稜のエース武内涼太(3年)が先発し、ストレート主体の強気な投球をみせた。5点差を追う最終回、追撃の2ランでチームを鼓舞。試合には敗れたものの、ファンには大きな衝撃を与えた。
武内はキャッチャーの近藤真亜久選手(3年)と中学時代からバッテリーを組み、2019年の夏の甲子園で準優勝した星稜のエース・奥川に憧れて星稜へ。女房役の近藤を誘った形で越境入学した。奥川の投球スタイルを動画で研究、この日の試合でも随所にその様子がみられ、放送席でも「奥川に似ている」という声が上がったほど。武内は初回からストレート主体で強気の投球をみせたものの、石川大会で13与四球、13失点と課題だったコントロールが定まらず5四球の乱調で2回1死までに3失点。佐宗翼選手(2年)に後を託して降板、レフトへ回ったが、その後も創成館打線が途切れず6失点となった。
9回表、1-6で5点を追う星稜は先頭の4番・近藤がスリーベースヒットで出塁。続いて打席に入った武内はバットの根っこを持ち長打狙いだ。初球、2球目とボール球が続き、迎えた3球目。創成館の3番手投手・永本翔規選手(3年)のストレートを強振、打球はレフトスタンド前方へ飛び込んだ。実況の中邨雄二氏は「強烈な打球だ!レフトは見上げるだけか」と絶叫。武内はまだ表情に険しさを残したままガッツポーズ、ベンチは歓喜に包まれ、ファンからは「やるな!!!」「マンガやん」「おもろなってきたやん」「おぉ~意地を見せた」と大興奮の声が上がった。
第2試合では延長10回タイブレークの激闘の末、南北海道代表・北海が大分代表・明豊を9-8と逆転サヨナラで破るドラマが。その余韻が残る甲子園球場は騒然となった。
しかし反撃はここまで、最後は代打・服部航選手(1年)が永本の変化球に打ち取られゲームセット。整列の後、武内は頭を抱え思わず涙。優勝候補の一角だったチームの挑戦は初戦で終わりを告げた。それでも先輩・奥川を彷彿させる気迫の投球と、チームを鼓舞した追撃2ランは全国の高校野球ファンの脳裏に「武内涼太」の名を刻んだはずだ。
(画像提供:バーチャル高校野球)
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