【第105回全国高校野球選手権記念大会】高知中央4-10履正社(2回戦・第8日・第1試合・甲子園)
ピッチングの肝は緩急と組み立て。1年生サウスポーが投げたボールは、観衆の度肝を抜いた。第105回全国高等学校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)の第8日目が13日、阪神甲子園球場で行われた。第1試合では高知中央の横山宏伸選手(1年)が超スローボールで猛打の履正社打線に対峙し終盤7・8回をゼロ封。そのパフォーマンスに観客は沸き、SNSでも多くの反響が上がっていた。
2-10で大きくビハインドを背負った高知中央、7回裏は1年生ピッチャー横山をマウンドへ送った。1年生とはいえ、横山は高知大会決勝でも登板、夏の甲子園初出場の原動力の一人だ。その横山はまず3番・近沢賢虎(2年)と対峙した。近沢は大阪大会で打率.471と絶好調、この日もツーベースを1本放っており意気揚々だ。初球は外角低め、84キロのスローカーブ。2球目は120キロの直球でファウルに。その後もカーブ、チェンジアップと球速さの大きな球種で近沢を追い込む。そして決め球は超スローカーブ。球速表示46キロのふんわりした軌道に近沢のバットは空を切った。甲子園球場の大観衆は「おおおお」とどよめきが。
この 超“遅球”には「計測不能というようなスローカーブになりました」と実況の小縣裕介氏も驚きを隠せない。明徳義塾監督・馬淵史郎氏は「ああいう球をストライクゾーンに投げられるということは、何か持ってるんでしょうね」とその技術や勝負度胸を賞賛した。
その後、森田大翔選手(3年)にはライト前へヒットを打たれたものの、続く西田大志選手(3年)はセカンドゴロ、小川輝選手(3年)はショートゴロに打ち取ってこの回をゼロ封。ダッシュでベンチへ引き揚げる際には、安堵からか白い歯がこぼれた。回をまたぎ8回も横山は登板。2本のヒットを打たれピンチとなるも、2番・森沢拓海選手(3年)を85キロのカーブでセカンドフライに打ち取り無失点投球とした。
80キロ台の超スローカーブに120キロの直球と、球速差40キロの組み立てが強力打線を翻弄。SNSでも「一年生であの場面であの投球できるってスゴイ!スローカーブ惚れ惚れした」「横山くんのスローカーブ好きやわ笑」と賛辞が続々と投稿され、そのなかには「星野伸之のスローカーブを思い出した」と阪急・オリックスなどで通算176勝を挙げたNPBレジェンドの名を挙げる声もあった。
(画像提供:バーチャル高校野球)
8月23日 決勝のハイライト動画
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日 | 見どころ(タップで動画へ) |
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第11日 | 仙台育英に挑む履正社の信頼し合うW左腕 |
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第14日 | 4年ぶりに戻ってきた声に包まれ最後の一戦 |