【第105回全国高校野球選手権記念大会】鳥栖工1-3日大三(2回戦・第9日・第1試合・甲子園)
惜しくも3回戦進出を果たせなかった鳥栖工だが、強豪校相手に見せた素晴らしいゲーム展開に甲子園からは大きな拍手が送られた。
【映像】鳥栖工・松延「仮面ライダー兄弟」が日大三打線に真っ向勝負(1時間39分10秒ごろ~)
1回表に先制点を繰り出すなど、試合序盤から勢いに乗っていた鳥栖工。1回裏に日大三のキャプテン、3番二宮士選手(3年)がタイムリーツーベースで同点に追いつくも、強豪打線を堅守で凌ぎ続けた。しかし6回裏にランナー二塁からの勝ち越しタイムリーツーベースでついに日大三にリードを許す。
7回裏、ここまで投球を続けてきた古沢蓮選手(3年)に代わってマウンドに立ったのは、“仮面ライダー兄弟”の弟こと松延響(ひびき)選手(1年)。初戦同様に兄で捕手の松延晶音(あぎと)選手(3年)との兄弟バッテリーが実現した。
交代直後から日大三の強烈な打線に苦しむピンチが訪れても、兄の言葉を受け取って気合いを入れ直す松延響は果敢に際どいコースにストレートを投げ続ける。その後も自己最速タイとなる144キロの速球を繰り出すなど、兄弟バッテリーの強気の攻めで後続を打ち取っていった。
しかし甲子園がどよめくストレートを投げ続ける響でも強豪打線を誇る日大三には敵わなかった。8回裏には2番の池内仁海選手(3年)が2死三塁の状況でライトへのタイムリーヒット。エースの安田虎汰郎選手(3年)がホームインを決めて3点目をあげた。
起死回生を狙う鳥栖工は2死ランナーなしで迎えた9回表、けがで長期離脱していた松本十和選手(3年)が代打で登場。甲子園球場初ヒットを放つとベンチからも笑顔が溢れ、最後まで諦めない姿勢を見せる。最後は代打の原田晄希(2年)が空振り三振に倒れ、3アウトでゲームセット。日大三は5年ぶり3回戦進出を決めた。
春夏通じて甲子園初出場、そして佐賀県勢10年ぶりとなる初戦突破という快挙も果たした鳥栖工。3回戦進出は叶わなかったが、打撃力の日大三を相手に3点で抑え最後まで気迫で攻め続けた。その堂々たるゲーム展開と敗戦後の清々しい笑顔には、観客から大きな声援と拍手が送られていた。
画像提供:バーチャル高校野球
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