【第105回全国高校野球選手権記念大会】仙台育英 9―4 花巻東(準々決勝・第12日・第4試合・甲子園)
ゲームセットの瞬間、握りしめたこぶしにはどんな意図があったのか――宮城代表・仙台育英は準々決勝で岩手代表・花巻東と対戦。東北の名門校同士の好カードとなったが、仙台育英が打っては尾形樹人選手(3年)の3安打3打点の活躍などで9得点を奪い、投げては先発した湯田統真選手(3年)の4回無失点8奪三振という快刀乱麻の投球があり、9-4で快勝。昨夏の王者が連覇に向けて盤石の強さを見せた。
激しい試合となったが、試合後、仙台育英を指揮する須江航監督は記者たちの質問に答えながら、この激戦を総括した。
まずは、昨夏優勝の原動力にもなった仙台育英の代名詞でもある継投策。湯田が4回を投げて被安打1、8奪三振と絶好調だったにもかかわらず、5回以降は3投手でやりくりするという采配を見せたが「3回でリードしたので、交代するタイミングを見計らっていました」と、采配の理由を説明。さらに「全員持ち味を出せたり出せなかったりしたが、少しずつ切り取ればいいところもあったが中軸を外したところで継投させたかった。湯田を前の回で交代してもよかったんですが、佐々木鱗太郎選手(3年)と北条慎治選手(3年)のところまで投げてくれたので、全部期待に応えてくれた」と4投手を褒めたたえた。
ゲームセットの瞬間に見せた握りこぶしについては「東北勢で残ったのがうちだけなので、6県分の思いを込めて頑張りたいです」と昨年の優勝インタビューで語った「青春って密だから」に匹敵する名言が飛び出した。
最終回には花巻東の怒涛の反撃を目の当たりにした。9点ビハインドという状況でもあきらめずに打線がつながり4得点を奪う様子は甲子園に集まったファンに感動を呼んだが、守る側である仙台育英としてはハラハラする状況。そんな9回裏の雰囲気を須江監督は「素晴らしいですね。あの空気感。あそこで(佐々木)麟太郎君にホームランでも出たら、ということをずっと考えていました。頂上が近づくほど、むずかしい空気感、雰囲気になる。素晴らしい経験をさせて頂きました。9-0のまま終わるより、あの追い上げがあったから東北の代表として頑張りたいという思いがさらに強くなった」とコメント。冷や汗モノだったはずの最終回の攻防も「素晴らしい」と前向きにとらえている様子だった。
夏の甲子園連覇に向けて、盤石の勝利を飾った仙台育英。21日の準決勝は鹿児島代表・神村学園と対戦するが、一体どんな戦いぶりを見せてくれるのだろうか。
画像提供:バーチャル高校野球
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『熱闘甲子園』動画一覧
8月6日(日)の開幕戦から決勝まで無料配信! キャスターは古田敦也氏、斎藤佑樹氏、ヒロド歩美氏が務めます。
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