8月21日に放送された「熱闘甲子園」で、第105回全国高校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)に出場した鳥栖工(佐賀)の1年生投手・松延響(ひびき)選手が、甲子園でバッテリーを組んだ兄・松延晶音(あぎと)選手に手紙を読み上げる姿が紹介された。
【映像】「仮面ライダー兄弟」弟から兄へ感謝の手紙
「晶音へ まず、4ヶ月間、バッテリー組んでくれてありがとう。」
松延がまず最初に口にしたのは、自身が敬愛し、1人の捕手としても全幅の信頼を置く兄への感謝の言葉だった。少年時代からいつも一緒に過ごしていたという、仲の良い松延兄弟。先に野球を始めた兄・晶音の背中を追いかけ、弟・響は野球を始めた。2人はその後も互いに切磋琢磨しあい、そして、励まし、支えあった。そのため、弟である響が高校の進学先を考えたとき、真っ先に頭をよぎったのは、既に兄が進学し、野球部で活躍している鳥栖工だったという。兄と一緒に“兄弟バッテリーを組みたい”。そんな想い1つで、響は鳥栖工へと進んだ。
響はその想いのまま、入学するや野球部の門を叩き、兄と共に汗を流した。そしてついに掴んだ夢の甲子園出場。入学、入部からのこの約4ヶ月間は、様々な想いが凝縮された時間だった。響は「まさか甲子園でバッテリーを組めるとは思っていなくて、楽しかったよ。」と、今大会のマウンドを振り返る。
大会前、「(弟は)熱くなると思うんですよね。甲子園という場面なので。でも自分は冷静に。」と語っていた兄・晶音の言葉通り、1回戦・第4日・第1試合の富山商戦では、同点で迎えた6回、2番手としてマウンドに登った響が、当初、ボールが上ずり、いきなり先頭打者を歩かせてしまうという展開に。しかしそんな弟の姿を見た兄は、すぐさまマウンドへと駆け寄り、弟に声をかけた。すると、弟は落ち着いた投球を見せはじめ、勢いのあるストレートを連発。自己最速となる143km/hをマークしながら、無事にピンチを乗り切った。“1組の兄弟”ではなく、“1組のバッテリー”としても、松延兄弟が完成された瞬間だった。
手紙の最後で、「これから晶音おらんくなるけど、次は自分がチームを引っ張って頑張るけん、応援してください。」と、兄が支えたチームを、自ら背負って立つ決意を覗かせた弟に、「またレベルアップして、あの場所に戻って活躍してください」と、兄であり、1人の先輩として穏やかに声をかけた。兄弟バッテリーとして臨んだ最初で最後の夏。その空の下で2人は、どこかはにかむような、でもそれでいて素直な眼差しで、ともに笑いあった。
写真提供:朝日新聞社
8月23日 決勝のハイライト動画
準決勝までのデイリーハイライト動画も
1〜3回戦(タップで動画へ) | ||
---|---|---|
8/6 第1日 | 8/7 第2日 | 8/8 第3日 |
8/9 第4日 | 8/10 第5日 | 8/11 第6日 |
8/12 第7日 | 8/13 第8日 | 8/14 第9日 |
8/16 第10日 | 8/17 第11日 | |
準々決勝・準決勝(タップで動画へ) | ||
8/19 第12日 | 8/21 第13日 |
『熱闘甲子園』動画一覧
8月6日(日)の開幕戦から決勝まで無料配信! キャスターは古田敦也氏、斎藤佑樹氏、ヒロド歩美氏が務めます。
日 | 見どころ(タップで動画へ) |
---|---|
第1日 | 浦和学院と仙台育英の好カードは3時間超えの大熱闘! |
第2日 | 川之江には幼なじみが4人…叶えたい願い |
第3日 | 通算140HR!花巻東の佐々木麟太郎選手が最後の夏 |
第4日 | 感謝届けたい相手がいる夏…第4日は家族の絆に胸が熱くなる! |
第5日 | 斎藤佑樹氏、捕手のキャッチング技術に脱帽! |
第6日 | 球児に宿るアルプスのチカラ |
第7日 | 笑顔 感謝 信頼...宿命 |
第8日 | ALL for ALL~全員が全員のために~ |
第9日 | 夏に輝くモンスター! |
第10日 | 広陵・主将が最高の舞台で最愛の人へ恩返し |
第11日 | 仙台育英に挑む履正社の信頼し合うW左腕 |
第12日 | 昨夏王者・仙台育英に立ち向かうは花巻東 |
第13日 | ベスト4がいちばん長い夏をかけて激突! |
第14日 | 4年ぶりに戻ってきた声に包まれ最後の一戦 |