のびのびと打つことが、これほどまでに結果に直結するのか。EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)は長いプロキャリアの中でも、しみじみ思ったかもしれない。自身1年目はチームを意識しすぎたために大苦戦したが、2年目は「自然にわがままに打てた」ことが好結果につながり、個人成績もプラスに転じ、チームのファイナル進出に大きく貢献した。今期は妹である二階堂亜樹(連盟)がチームにキーマンに指名されており「自由に舞ってもらえるように」と、姉として、チームメイトとして全力バックアップの構えだ。
【映像】Mリーグ2023-24シーズン 開幕直前インタビュー
-昨期の振り返りを。
二階堂瑠美(以下、瑠美) シーズンを通してみんないい感じでした。ファイナルはああなっちゃいましたけど、内容も良くて、みんなが力の限りできることをやって結果が恵まれなかったというだけなので、新シーズンも同じように変えることなく戦いたいです。
-2021-22シーズンは少しよそ行きだったところが、昨シーズンはうまく打てた。
瑠美 自然にわがままに打てたという感じですね。慣れたという感じ。考え方の切り替えができるようになって、自然にMリーグの麻雀に切り替えることができた。結果が出ればもちろん嬉しいですけど、要所要所の判断で合っている合っていないという検討を、チームメイトとできました。トップを取ったから内容が良かったというわけではなく、ラスだけども内容が良かったという話し合いもできました。
-オフ期間に行われたMトーナメントでも活躍した。
瑠美 ツイてましたね(笑)。タイトル戦で予選(半荘)2回というのはあまりないんですよ。2回だとやっぱり2回目の半荘でトップを取ることが大事。もちろん1回戦目でトップを取るのが大事なんですけど。
Mリーガー以外で強い人もたくさんいるじゃないですか。推薦選手と面白い勝負ができると思っていたし、そういうことができたので、Mトーナメントはよかったんじゃないかなと思います。(ファイナルはMリーガーと推薦選手の比率が)2対2でちょうどよかったですよね。渋谷ABEMASがいなかったというのも面白かったですよね。個性的な人がいっぱいいました。
-新Mリーガーも7人入った。新シーズンへの準備は。
瑠美 Mリーグ以外でもたくさんのルールの対局があるので、Mルールでの練習会や新しい人に対しての研究と言ったら大げさですけど、試合を見に行ったりとかそれなりに準備はできていると思います。
でもやっぱり始まってみないとわからないと思います。変わると思うんですよね。同じ人でもちょっと変えてくるかもしれない。最近の傾向を見ることが大事だと思います。麻雀はあまり見ない方なんですけど(研究のために)ちゃんと見ています。
-新Mリーガーの中でも同じ所属団体である日本プロ麻雀連盟の4人に対しての印象は。
瑠美 もともと猿川さんは同期みたいなもので20年近く付き合いもあります。鈴木大介さんもプロになる前から最強戦で応援していたりとか。(菅原)千瑛はリーグ戦とかテレビ対局で結構一緒になることもあって、お互い手のうちは知られていると思います。
中田花奈さんがどれくらい私のことを知っているかがわからない。何回か交流とかお話もできているのですが、みんな変わると思うんですよね。みんな可愛い後輩ではあるので面白い勝負ができるように、Mリーグが面白くできるようにという感じですね。
千瑛はもともと勉強熱心な子だったんです。知り合ったのはデビューしてから2、3年だと思うんですけど。あんまり有名じゃない段階からいろいろなところで勉強しているのは知っていたし、研究熱心だな、筋がいいな、というのがありましたね。いろいろな技を覚えて、その結果が伴ってきて嬉しいなと思います。
-対局中の表情も、瑠美選手同様に菅原選手も注目されている。
瑠美 バリエーションはあんまりないですよ(笑)。眉毛が八の字になっているくらいで。困っている顔をしてもオリるわけではなくて、攻撃のための決断をしようとしている。そういうところも見て欲しいですね。
-開幕に向けて準備は。
瑠美 大局観が大事です。自団体に「Focus M」という(Mリーグルールで打つ)番組があるんですけど、ちょっとまだそれだけじゃ足りない。モチベーションを上げるのが大変なタイプなんですよ。始まってきたら変えられるんですが、始まるまでがなかなか変えられない。去年のダメなだったところを見たりとか。勝った場面だけを見る寿人さんとは違って、私は反省点を思い出して、それをしないようにしようというタイプです。リーチの判断やオリておくべきだったなとか、そういったところの反省です。
-今期は昨期と違いチームの成績が悪くても、選手入れ替えのレギュレーションには引っかからない。
瑠美 今年はスローガンが“天下布舞”。亜樹さんがキーマンです。亜樹さんが自由な状態で羽ばたけるように支える年です。自由に舞ってもらえるように、チーム状況が苦しかったら自由にもできないじゃないですか。亜樹さんが自由にできるように、私の力で支えられたらいいなと思います。昨シーズンは私が初年度で不甲斐なかったですが、キーパーソンだったんですよね。でも、わがままにできたので状態が良くなってきた。今年は亜樹さん。勝又さんや松ヶ瀬さんのことはあまり気にしてないんで(笑)。
-ユニフォームが変わりましたが印象はどうでしょう
瑠美 「EX」の部分がかっこいいですね。黒い部分が多いので、チームカラーが赤だったのにどうなんでしょうね。ユニフォームってあんまり変えない方がいいと思うんですよ。プロ野球はあまり見ないんですが、ユニフォームが変わるから覚えられない(笑)。チームメンバーが変わってもユニフォームが一定だったら覚えやすい。でも何の発言権もないので(笑)。星の数は優勝の回数を表していて、2つ目の星を刻めるように頑張ります。
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)