現世界王者も「見たことがないわ！」と困惑気味に語った衝撃決着。長い腕がガッチリと首に絡みつく“蛇のような”片腕チョーク。身動きが取れず顔が真っ赤、苦悶の表情に実況も「まるでゆでダコみたいだ！」と絶叫した。
タイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 32」。ブレット・パストーレ（アメリカ）とイヴァン・ポドルギン（ロシア）の試合は２ラウンド、ONEデビュー戦のポドルギンが変形チョークで勝利。22歳の新鋭が総合格闘技５戦すべてで1本勝ちという驚異のレコードを更新した。
28歳のパストーレは昨年5月からプロで戦い、豊富なアマチュア経験を持つレスリングベースの選手で3連勝中。対するポドルギンは22歳と若いものの、完璧なプロ戦績を誇っている。ロシアのパンクラチオン・トーナメントからMMAに転向したばかりだが、4戦全てサブミッションによる勝利を収めONE初参戦を果たした。
拮抗した膠着状態のまま1ラウンドを終えた試合は2ラウンド、劇的な決着を迎える。パストーレが右のジャブで打撃勝負を仕掛けるが、対するポドルギンは腰を低くしてテイクダウンを狙うと、足を絡めて上から抑え込む。
この攻防を何とか逃れたパストーレは立ち上がってポドルギンにタックルを仕掛けるが、ポドルギンはロープ際でフロントチョーク狙い。チョークで首を絞められたパストーレは、もつれるように倒れ込むと、ロープから体をはみ出すようにもがき、逃れようとするがガッチリとロックされており堪らずタップアウトとなった。
ABEMA解説で現修斗世界ストロー級王者の新井丈も「ちょっと見たことない形ですね」と困惑の笑いを浮かべながら反応した問題のフィニッシュシーン。フロントチョークから逃れようとパストーレの身体は斜めに弓なりだが、ポドルギンの長い腕1本が纏わりつき首を締め上げる。ファンからも「まるで蛇のようだ」「変形のグランド・コブラ」「新しい必殺技だ」「うわあ締まってる…」など驚きの声が上がった。
新井は「これは（ポドルギンの）リーチの長さですね。ここまでパストーレのように回ってたら普通は抜けます」と長い腕だから成立する変形サブミッション技だと解説。改めて「見たことないわ！」と述べると実況の小出アキラ・アナウンサーは、パストーレの断末魔の表情を「最後は”ゆでダコ”みたいに真っ赤になっています！」と締めくくった。
