将棋日本シリーズJTプロ公式戦の2回戦第3局が9月16日、香川県高松市の「サンメッセ香川」で行われ、渡辺明九段(39)と佐藤天彦九段(35)が対局を開始した。14年連続18回目の出場となる渡辺九段と、1回戦静岡大会から勝ち上がった佐藤九段による注目の一戦。準決勝進出を決めるのはどちらか。振り駒の結果、先手は渡辺九段に決まった。
渡辺九段は、2000年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:17期)で、順位戦A級(A級以上:13期)。タイトル通算31期は歴代4位、現役2位の快記録。棋戦優勝も11回を数える。序盤研究の深さから中終盤の粘り強さ、細い攻めをつなげる卓越した技術など、どこを取ってもトップクラスでバランスの取れた超一流棋士だ。JT杯は14年連続18回目の出場で、過去に優勝3回を飾っている。2019年大会以来4年ぶり4度目の優勝を目指し、今期初陣に臨む。
佐藤九段は2006年10月に四段昇段。竜王戦1組(1組:9期)、順位戦A級(A級以上:9期)。タイトルは名人3期で、棋戦優勝は4回。その振る舞いやファッションセンス、クラシック音楽や絵画を好むことから「貴族」の異名を持つが、将棋においてもトレンドをあえて追わずに独自の世界を創出している。JT杯は3年ぶり6回目の出場で、1回戦の静岡大会で稲葉陽八段(35)に勝利し2回戦に進出。2016年には準優勝となったものの、優勝はまだない。初Vを目指して強敵に挑む。
両者の公式戦対戦は、2015年度の第41期棋王戦五番勝負などこれまでに23局で、渡辺九段の16勝7敗。JT杯での対戦は初となるが、名人経験者の両者が早指し棋戦でどのような作戦を用意しているか。大きな注目が集まっている。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。前年大会では藤井聡太JT杯覇者が最年少の20歳4カ月で優勝。2011年、小学3年当時に同こども大会優勝も飾った思い出の大会で、史上初プロ公式戦との“ダブル優勝”の快挙を達成した。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)